【特集】冬でも雨でも、いつ行っても楽しい!愛媛県総合科学博物館の歩き方

2021.11.29 えひめのあぷり編集部

自然に科学に産業に、幅広く学べる夢の博物館!

プラネタリウム番組「ハナビリウム~花火って、なんであるの?~」

『愛媛県総合科学博物館(通称:科博)』は、松山市内から車で50分程の距離にあります。

科博といえば?
国内第2位の大きさを誇る、直径30mの大型プラネタリウムはあまりにも有名!
そして子どもたちを恐怖に陥れる、ダイナミックな実物大恐竜ロボットのイメージが強いのではないでしょうか?

科博の面白さは、それだけではありません!
広い館内・外には、色々な面白ポイントがあるんですよ。

寒くてたまらない日も、雨の日だってOK!
何時間でも、丸一日でも居られちゃう科博は、年齢を問わない学べるスポット!

今回は企画普及グループの橋村さんにお話をお伺いしながら、科博の面白さを深堀していきたいと思います。

見えない星まで映ってる!?超大型プラネタリウム

さて、冒頭でもお話したように、科博といえばプラネタリウムは外せません!

1994年の開館当時、直径30mというのは世界最大の大きさで、ギネスブックにも掲載されました。
現在は、名古屋市科学館の直径35mに続き国内第2位の大きさ。

ドームが広いので、まるで宇宙空間に飛び込んだかのように錯覚してしまうスケール感は圧巻です。

星を映すのは世界最高クラスの明るさを誇る、光学式プラネタリウム。

なんと約65万個もの恒星(星座をつくる星)が投影されるんです!
その中には、肉眼では見えないような暗い星もあります。

金星などの惑星や月は、恒星とは違う動きをしています。
正確に星空を再現するため、メインとは別の機械で投影されてるって、知ってました?

投影の前半には、スタッフによる季節の星空解説があります。星座やそれにまつわる神話、惑星の紹介に加え、月食や流星群など季節のトピックが盛り込まれているのが魅力です。

さらに、後半は恐竜やキャラクターなど、様々なプラネタリウム番組が投影されます。
全天周デジタル映像投影システムで、ドームスクリーン全体に大迫力の映像が広がる点もポイント。

現在公開中の番組「ハナビリウム」は、360度見渡せる花火が最高に綺麗です。(2022年3月頃まで)

▶イマナニで「ハナビリウム」の情報を見る

科博に来たら、プラネタリウムを見ない手はありません!
プラネタリウムと、後述する常設展の「宇宙」コーナーを併せて見ると、星や宇宙への理解が深まりますよ。

今度は展示で!星空の世界へいらっしゃい!

常設展は大きく分けて「自然館」・「科学技術館」・「産業館」に分かれ、4階にある自然館から下に降りていくかたちで展示が進んでいきます。

自然館の「宇宙のゾーン」は、太古の人間が想像した宇宙の模型を筆頭に、大型の星空パネル、立体投影装置などが所狭しと展示されているゾーン。

こちらは、2021年9月に新しく公開された展示。

全天の星座が一堂に並んだ、大迫力の星図パネルです。
星図とは、いわば星空の地図。近くに寄って見ると、小さな点がたくさんあるのが分かります。
実はこれ、肉眼では見えない暗い星までを点で表し、星空での正確な位置を示しています。

それがよくわかるのが、天の川の部分。天の川は星がたくさん集まった雲状の光の帯で、天球を一周しています。

よく見ると、天の川が小さな星の集まりでできており、左の濃い部分から下におりつつも右に緩やかに曲がりながら続いているのが分かりますよ。

星の大きさ(=明るさ)の目安も掲示されているので「この星は、あの星よりも明るいね」と比較ができるのが良い点。

子どもと一緒に、星座について勉強しませんか?

月の裏側って、見たことある?

月は地球の周りを1回公転する間に、それと同じ向きに月自身も1回自転しているので、月はいつも同じ面を地球に向けています。

つまり、地球からはいつも同じ面しか見ることができません。

月の裏側ってどうなってるの??
その疑問は、宇宙のゾーンにあるこの「Dagik Earth(ダジック アース)デジタル地球儀」が解決してくれますよ。

こちらは手元の球を操作することで、グルグルと球体全てを見渡すことができます。

普段見ることのできない、月の裏側も見ることができちゃうんですね!
もちろん月だけではなくて、地球や木星などの惑星もグルグルと観察できてしまいます。

東日本大震災による津波が伝っていく様子を、地球規模で見る項目もあるので見てみてください。
相当なエネルギーの地震だったことが分かり、声が出ません…。

子ども絶叫!実物大の動く恐竜ロボット

地球のゾーンに進み開けた展示スペースには、科博名物の実物大ティラノサウルスとトリケラトプスが待っています。

…おや?「ズシン…ズシン…」という足音が聞こえてきたら、要注意!
およそ6800万年の時を超え、彼らが動き出す合図です。

どうですか!?
皮膚の質感や、俊敏で滑らかな動きがとてもリアルでしょう?
ティラノサウルスは全長13.9m、トリケラトプスは7.3mというスケールも迫力満点です!

15分に1回、ギャオン!という激しい慟哭と共に動く彼ら。

動き終わると、撮影タイムのポーズを取ってくれます。
撮影タイムのポーズは2パターンあり、顔を寄せ合うのは通称「仲直りポーズ」。

恐竜たちが静まった後は、キッズディノコーナーで恐竜に食べられちゃいましょう。

大きな恐竜に食べられちゃう!?トリックアート

こちらはキッズディノコーナー。
恐竜の骨に触れたり、うんちの化石に触れたりできる体験型エリアです。

ここのトリックアートも撮影OK!
#愛媛科博 のハッシュタグをつけて、SNSで投稿しちゃいましょう!

国歌の「さざれ石の巌」って見たことある?

日本の国歌に「さざれ石の~巌となりて~♪」という部分がありますね。
さすが自然館、岩石・鉱物コーナーに実物が展示されています!

…正直、とっても地味!
でも、意味はとっても深いんです。

さざれ石というのは、小石のこと。
小さな石が長い年月をかけて、1つの大きな岩の塊になっていきます。

さざれ石の巌は、「積小為大(せきしょういだい)」という考えを体現するモノ。
積小為大とは、「小を積めば、則ち大と為る(=小さな努力の積み重ねが、やがて大きな収穫や発展に繋がる)」という意味です。

見た目の華々しさはありませんが―…
日本らしい奥ゆかしさに痺れませんか?

もう一つ、鉱物コーナーで見逃せないのが、愛媛を代表する鉱物である「輝安鉱」。
西条市の市之川鉱山から採れた輝安鉱は、結晶が大きくて美しく、世界的にも有名な産地でした。

新居浜市の別子銅山と併せて、東予地域の産業の発展を支えた鉱業。採掘の様子などは、産業館でさらに詳しく知ることができます。
ぜひ併せて見てみてください。

あの可愛い動物の標本所蔵数が日本一!

愛媛のゾーンで特記したいのは、「ニホンカワウソ」!

科博は、ニホンカワウソの剥製を日本で一番多く収蔵しています。
その数なんと、およそ30体!

…昔は愛媛の水辺で普通に見られたそうですが、毛皮を目的とした乱獲、開発による生息地の破壊や水質汚染などにより、個体数は激減。
2012年に、国の第4次レッドリストで絶滅種として指定されました。

この愛くるしい姿を生きた状態で見られないのは、残念でなりません。
色々と考えさせられてしまいますね。

この石鎚山のブナ林のジオラマは、実は実際のエリアを忠実に再現したもの。

なんと実際のエリアの木の型を取り、木の皴まで再現しています。

あまり目立たないけれど、可愛い鳥があっちにもそっちにもとまっていたり、川辺にはサンショウウオがいたり。

国内でもかなり珍しい、暖帯林から温帯林、亜寒帯林と変化に富んだ植生をしている石鎚山の魅力を、愛媛ゾーンの展示でぜひご堪能ください!

元素の実物、みたことある?

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科学館・博物館 体験施設 新居浜市