愛媛県では、アフターコロナを見据え、産業の稼ぐ力の更なる強化のため、デジタル技術やロボットを実装し、地域課題の解決にチャレンジする「デジタル実装加速化プロジェクト」を展開中。
採択事業者のプロジェクトの様子をお届けしています。
12月15日・16日に楽天グループ、南海放送、LiveParkの3社がタッグを組み、南海放送株式会社本社にてライブコマースが実施された。
当日は、東予・中予・南予で8事業者が、LiveParkのプラットフォームを使用し、配信用カメラの前で各事業者が自慢の商品を説明。
2日間での累計視聴者数は60万人近くという驚異的な数字をたたき出した。
今回は県域を越えての出張PRが難しい今、地域の特産品をPRする新たな手段を整備する楽天グループの挑戦を紹介。
プロジェクトの概要
(チャレンジャー:楽天グループ株式会社)
都市部などに出向いて宣伝やキャンペーンを行うことで愛媛県の名産品等を県外の多くの人に知ってもらう機会を作っていた従来と異なり、現在は移動規制やインバウンド・国内旅行者の減少により、愛媛が全国に誇る産品を目にする機会や購入する機会も減少している。
そこで、インターネットを通じたオンライン上で魅力的なコンテンツを作り、多くのユーザーが県産品に接触できる機会を増やすことで、販路拡大と地域経済の活性化につなげることが大事だと言える。
しかし、現状では、顧客基盤を持たない新規参入事業者が新規顧客に商品の魅力を伝えられる機会は少なく、また運営のノウハウが蓄積されていないこと等も原因となり、顧客との接点や新規需要を醸成する手段に乏しい。
そこで、楽天グループ・南海放送・LiveParkの3社がタッグを組み、愛媛の事業者の稼ぐ力の向上を目的とした三位一体のソリューションを提供する当プロジェクトが始まった。
3社の強みを活かした取り組み
地方放送局を活用した新たな産品モデルの確立に向けた当プロジェクトは、参画する3社の強みを掛け合わせた形態となっている。
1億を越える会員IDと、楽天市場を中心とした幅広いマーケット基盤を持つ楽天グループは、各サービスをフル活用することで幅広い顧客層へのリーチとインターネットを通じた販売促進を実現。
そして、それを愛媛の放送局・南海放送が長年の番組制作で培った制作力やアナウンス力、構成力などを使い、生産者や産品の魅力を的確に届ける。
配信にはLiveParkのプラットフォームを使用。ライブコマースを活用することで、ユーザーと配信者やユーザー同士でのコミュニケーションを盛り上げ、ECを通じた一歩先の新たな顧客体験を提供する。
まず、楽天サイトや出演事業者からの告知などの経路でライブコマース配信の視聴者を集める。
そして、ライブコマースで紹介した商品の購入先やクーポンのシステムを楽天グループが提供。
リアルタイムで配信を行うことでの親近感や衝動的な購入を訴求する。配信内では、楽天ふるさと納税にリンクした「ご当地アナウンサーが発見! 聞き上手グランプリ2」の告知動画を流し、ライブコマースによって愛媛や愛媛の地産品に愛着が湧いた消費者が楽天ふるさと納税にもアクセスできる流れを作っている。
また、2023年1月20日には、楽天ならではのデータを基にした実績共有や、新しい販促方法の共有等の勉強会をオンライン・オフラインのハイブリッドで実施予定。
ライブコマースを軸とした新しい切り口での販売手法により、県内のEC事業者へ「実践の場」を提供し、事業者がネットを活用した売り上げ促進を自走できることを目指していく。
ここからは2022年12月当プロジェクト初のライブコマースの模様を紹介する。
第1回ライブコマースの参加事業者を紹介
<1日目>
開催日時:2022年12月15日(木)20:00~22:00
土居真珠「宇和島産あこや真珠 パールペンダント8mm」
ユナイテッドシルク「シルモア ボディクリーム」
フレッシュつちやま「【特撰】吉田みかん3kg /5kg」
一柳こんにゃく店「こんにゃくベーグル」
<2日目>
開催日時:2022年12月16日(金)20:00~22:00
タオル工房マオ「スーピマコットン無撚糸シャワータオル」
水口酒造「道後ビール」
安岡蒲鉾店「【定番】じゃこ天かまぼこギフト」
愛媛県漁業協同組合「柚子香る愛鯛」
いずれの参加者も、本番の4週間から3週間前くらい前に出演の打診があり、紹介する商品決め、そして、それをもとに南海放送が制作した台本と商品情報との照らし合わせなどを行い、本番を迎えた。
いざ、ライブコマースの配信拠点に潜入!
(場所:南海放送本町会館)
今回のライブコマースの配信拠点、南海放送本町会館へ。配信開始時刻は、スマホを見ている人が多いとされる時間帯の20:00。
愛媛県から当プロジェクトのために借りてきたのぼりや横断幕がセットされ、愛媛感あふれるスタジオとなっていた。
待合室では今回の配信に参加する4つの事業者たちが集結。
1日目のMCは宮嶋那帆アナ、2日目のMCは竹内愛希アナで、両日ともに元・南海放送アナウンサーのフリーアナウンサーが務めた。
南海放送が用意した台本に基づいた軽快なトークで、各事業者1つずつ、自慢の商品をPR。
MCが実際に試食したり、事業者が実演したりして視聴者に商品の魅力を伝えた。「どんな味なんですか?」や「おすすめの食べ方は?」など、どんどん投稿されるコメントの中からMCがピックアップし、リアルタイムで回答。
今回は愛媛県のイメージアップキャラクターである「みきゃん」「こみきゃん」「ダークみきゃん」のスタンプが送れる特別仕様になっており、配信中はとめどなく流れていた。
実際の配信画面
視聴・コメントともに、アプリのダウンロードやアカウントの登録が不要という手軽さも多くの人に見てもらうためのポイント。
また事業者の商品紹介時には、随時、該当商品に関係するクーポンや、楽天のショップポイント5倍のお知らせなどが画面に登場。
購入者の購買意欲をそそる仕掛けが施されている。
出演する各事業者は、南海放送が制作し、事前に事業者に共有した台本を持参。
台本の内容に沿って楽天ショップ内の表記を微調整したり、新たにキャンペーンPR用のバナーを設けたりする事業者もいた。
今回出演した事業者のほぼ全ての人が、初めてライブコマースを体験した。
出演が終わった直後にインタビューすると、「新鮮だった」「緊張したけれど楽しかった」という声が多く出た。
また、視聴者から質問などのコメントが来ることにより、台本にはない商品の魅力を伝えることができたという声もあった。
「機会があればまた参加したいか?」という質問には参加した8事業者全てが「また参加したい」と回答。
配信終了時の視聴者数は1日目29万8585人、2日目29万9375人という驚異的な数字を記録した。
今後の取り組みについて
2023年1月20日、愛媛県内の事業者に向けてライブコマース勉強会を実施。
楽天グループより、今回のライブコマースの取り組みと結果を報告。
“爆買いの仕掛け人”こと「ライブコマースエバンジェリスト」の田熊氏と、テレビ通販で有名なやのぱんによるオンライントークディスカッションや、参加事業者の商品を実際にアピールするワークショップなどを予定。
第2弾の記事は勉強会の様子をリポート予定。
お楽しみに!
TRY ANGLE EHIMEの最新情報はこちらから確認を!