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熱き牛たちの激突祭典~宇和島闘牛和霊大祭場所~【愛媛/宇和島市・おでかけレポ】

2025.8.12 えひめのあぷり編集部

宇和島闘牛!真夏のぶつかり合い!その迫力に迫る!

こんにちは。
愛媛に根ざし年を重ねてきたえぷりライターsatokoです。
今回は、宇和島市丸山公園内にある「宇和島市営闘牛場」へ闘牛観戦に行ってきました。

宇和島闘牛大会は、定期闘牛大会として年4回開催されています。
今年も、1月2日(正月場所)、5月3日(五月場所)、本日7月23日(和霊大祭場所)が開催され、
10月下旬には秋場所が開催予定です。
時間は、正午から2時頃まで。大会ごとに7から9試合の取り組みが組まれています。
今年は、宇和島闘牛場落成50年。また、仙台市との姉妹都市50周年も重なり記念イベントとして仙台すずめ踊りが披露されました。

2025年の和霊大祭は7月22日から7月24日までの3日間。
宇和島市内全体が盛り上がっていました。

猛暑にもかかわらず、多くのファンが詰めかけ、立ち見が出るほどの盛況ぶりです。
階段式の観客席は、観客が間近で激しい取組を楽しめる設計になっています。

汗ばむ中、観客はうちわやタオルで暑さをしのぎつつも、闘牛の迫力ある頭突き合いに釘付けです。
牛のぶつかる音と、観客の熱い声援が場内を包み込み、暑さ以上の熱気が充満していました。
夏の闘牛場ならではの熱烈な様子です。
宇和島闘牛の人気と根強さ、伝統の力強さを改めて感じます。

会場の雰囲気はまさに祭り!

宇和島市営闘牛場は、小高い丘の上に位置し、会場へと続く坂道を登るにつれ、観客の熱気が徐々に近づいてくるその感覚は、まるで祭りの中心へと導かれるようでした。
周囲には緑が広がり、自然の中に響き渡る歓声が、祭りの高揚感を一層引き立てます。

この会場で巨牛同士が、正真正銘のぶつかり合いで勝負します。
本日の取組は9試合。
牛たちの迫力、「せこ」の掛け声、実況のテンション・・・すべてが観客の心を掴みます。

入場のアナウンスが流れ、いよいよ牛の入場です。
観客からは、どよめきと拍手が沸き起こります。
入場する牛の中には、低く響く鳴き声をあげるものもいました。その鳴き声は場内に轟き、緊張感を一層引き立てました。

土俵中央で両牛が向かい合ったら、いざ勝負!
闘牛では、牛たちが頭突きを繰り返す中で、安全かつ公平に取組が行われるよう、複数の人が牛のそばについて補助を行います。
この補助役を「せこ」と呼び、牛が土俵に入場する前の誘導、取組中の態勢維持、勝敗の後に素早く鼻を取るなど、重要な役割を担ってます。

この「せこ」たちの動きや掛け声と、牛との阿吽の呼吸も闘牛大会の醍醐味の一つです。「せこ」は闘牛大会を支える要の存在です。
「牛が怖がらないように」「ケガをさせないように」そんな思いが「せこ」の仕草から何度も伝わりました。

宇和島闘牛では、「逃げた方が負け」というシンプルかつ厳しいルールで行われます。
勝敗が決まれば、「せこ」は素手で牛の鼻をつかんでコントロールします。
牛にとって鼻は急所であるため、つかまれることでおとなしくなるようです。

観客も一体となって勝利を祝福!

勝った牛の背中にまたがって、観客に向かって大きくガッツポーズ!
「勝ったぞー!」と叫んだり、拍手をしたり、時には踊ったり・・・

関係者が勝った牛の背中にまたがり喜びを分かち合います。
観客席からは惜しみない拍手や歓声が送られ、会場は大いに盛り上がります。
宇和島闘牛のこのシーンは、勝者への最大の称讃であるとともに、人と牛がともに栄光をたたえる闘牛ならではの風景です。

小さな子どもも牛の背中にまたがります。まるで金太郎さんのようですね。
牛も穏やかな様子で受け入れているのが印象的です。
牛も人に乗られることに慣れており、牛と人との間に強い信頼関係が築かれていることも伺えます。
宇和島闘牛の温かい風景です。

牛に掛けられているのは「油単(ゆたん)」です。
油単とは、闘牛装飾の一部で、牛は厳しい取組の後に油単をまとい、気持ちを落ち着かせると同時に「自分が勝った」という認識が強まるとされているようです。
これは勝利した牛が、誇りと自信を持つための大事なセレモニーの一部なんですね。

激しく濃密な取組を終えた牛は「せこ」に引かれ退場します。
勝っても負けても、その背中には戦いを終えた誇りがにじみ出ています。
興奮のあとの余韻の中にある静かな時間。観客席からは見えない特別な時間です。

控え場にいる牛は、驚くほど静かです。
一頭ずつ柵で仕切られ、太い縄で繋がれています。
その目は、どこか遠くを見つめているようで、静かな闘志が宿っています。

土俵の華やかな舞台の裏の牛たちは、ゆったりと尻尾を振ったり座り込む場面もありましたが、静謐な準備と覚悟がにじみ出ているようでした。

「闘牛アナウンサー」と「MC、GYU GYU」が宇和島闘牛のイベントを熱く盛り上げる

牛と人が融合した宇和島闘牛は会場の一体感も大きな見どころです。

「MC、GYU GYU」は宇和島闘牛大会で重要な役割を担う進行・盛り上げ役です。
名物MCとして闘牛実況アナウンサーと共に大会を盛り上げ、観客を巻き込んだトークや応援煽りなど多彩な活躍をしおり、宇和島闘牛の伝統や伝達に大きく貢献しています。
牛の名前や成績、技の特徴を巧みに紹介し、臨場感あふれる実況で会場の熱気を高めます。

沖縄から闘牛実況の伊波大志アナウンサーが特別参戦!
MC、GYU GYUとのダブルアナウンスでいつもとは違った盛り上がりを見せました。
伊波大志さんは、沖縄県うるま市出身で、沖縄唯一の闘牛実況アナウンサーとして4,000試合以上の実況経験があり、地域活性化に貢献されています。

土埃を踏みしめ土俵の真ん中に。千秋楽の声が会場を包みます。
実況中は取組の流れに緊張感を添え、休憩中は観客の笑顔を引き出し、最後には静かに幕を下ろす。
MC,GYU GYUは、まさに「声で闘牛を支える人」でした。

闘牛を見つめ、声を張り上げる子どもたち。
観客席には最後まで興奮を隠しきれない小さなファンの姿もありました。
子どもや、若い世代にも闘牛文化への興味や愛着が自然に伝わっており地域ぐるみで盛り上がっていました。

宇和島闘牛は、牛のぶつかり合いと観客の歓声、地域文化としての賑わい、高揚した雰囲気など、現地でしか味わえない迫力がありました。
「一頭」「一戦」「一声」に込められた、人と牛と地域のつながりがこの文化を守り、輝かせ続けているのだと強く感じました。
今後もレポートしていきますのでお楽しみに!

■宇和島闘牛和霊大祭場所(2025年7月23日)
会場/愛媛県宇和島市営闘牛場
住所/愛媛県宇和島市和霊町496-2

えひめのあぷり編集部

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