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優しい笑みに癒される【青芳人形展 掌と空のあいだに】(愛媛/伊方町・おでかけレポ)

2026.3.26 えだまめ

こんにちは、えだまめです。

伊方町にある佐田岬半島ミュージアムで開催中の「青芳人形展 掌と空のあいだに ~青芳人形、はじめての里帰り~」に行ってきました。

260体以上もの作品が並ぶ、伊方町で初の展覧会

皆さんのおうちに、砥部焼はありますか?

国の伝統的工芸品に指定されている砥部焼は、愛媛を代表する陶磁器です。白磁に藍色の模様が入った丼やお皿など、日常使いの食器を思い浮かべる方が多いかと思います。

そんな砥部焼に、有名な人形があることをご存じでしょうか。

それが、陶芸家・森元青芳さん(故人)が手がけた「青芳人形」。砥部焼の技法を活かして一体ずつ手作りされた、慈愛に満ちた表情が印象的な陶人形です。

昭和の時代から全国で展覧会が開かれ、写真集も刊行されるなど、多くのファンに愛されてきました。私の実家にも飾られていて、子どもの頃から親しんできた存在です。

今回、その青芳人形が50作品・260体以上も展示されるとのこと。これは見に行かなくては、ということで伊方町へGO!

佐田岬半島ならではの青石が特徴的なミュージアム入口。

2階には展示室の他にカフェや映像コーナーがあります。

会場の様子。台の上にも人形が展示されています。

展示室いっぱいに広がる、穏やかな青芳人形の世界

佐田岬半島ミュージアムでは、2階の常設展示室で郷土資料などを見ることができます。今回の企画展は同じ2階の企画展示室で開催されており、入場はなんと無料です。

展示室に一歩足を踏み入れると、スペースいっぱいに人形がずらり!ショーケースの中だけでなく、囲いのない状態で展示されている作品もあり、作品との距離がとても近く感じられます。

さらに、絵画や使用していた道具、関連書籍なども展示されており、青芳さんの陶芸家としての歩みをたどることができます。キャプションは必要最低限に抑えられているため、作品のタイトルや人形の表情・ポーズから、自由に想像を膨らませることができました。

展示されている作品は幅広い年代にわたり、同じモチーフでも時期によって作風が異なるのが分かります。何よりも、すべて手作りのため、一体一体の表情が違うのも大きな魅力でした。

3月3日生まれの青芳さんにとって雛人形は特別なもの。

生き生きとした子どもの人形は、その表情にも注目。

長~い「行列」の組み人形。ぜひ現地でご覧ください。

生涯、まっすぐに土と向き合った姿が分かります。

森元青芳さんの「三」「龍」「掌」へのこだわり

青芳さんの「こだわり」として挙げられていたのが、「三」「龍」「掌」の三つです。

まず「三」は、1928(昭和3)年3月3日生まれの青芳さんが手がけた雛人形のこと。お内裏様とお雛様だけの内裏雛、三人官女や五人囃子まで揃った段飾り、壁掛けの陶板まで、様々な形態の雛人形を見ることができます。どの人形も青芳さんらしい個性的なデザインで、一般的な雛人形のような十二単や束帯は身につけていません。

次に「龍」。辰年生まれということもあり、龍をモチーフにした作品を多く制作していたそうで、香炉や置物が展示されていました。

そして「掌」。青芳さんはデッサンや頭の中で構想を練るよりも、実際に土に触れ、掌の感覚を大切にしていたとのこと。手を合わせた形の人形が多いのも、その気持ちが表れたものなのだと感じました。

段飾りの雛人形は、どことなくユーモラス。

花のような文様と緑の釉薬が美しいお雛様陶板。

合掌している人形が多いです。小さなお地蔵様もありました。

真民詩、子ども、動物…広がる創作力に驚き

砥部町に「青芳窯」を開いた当初、砥部焼の産地での人形づくりはなかなか理解されなかったそうです。

しかし、独自の作風と表現力が国内外で評判になり、徐々にファンが増えていきました。まだ愛媛に住んでいなかった母も、その頃に購入したそうです。

愛らしい子どもの人形などが多い青芳人形ですが、中でも、詩人の坂村真民さんとの出会いで生まれた「念ずれば花ひらく」の人形が有名です。

元々は窯元で陶人形を見たお客さんが、砥部に移住していた真民さんの詩に合うと話したことから、縁がつながったそう。本展でも真民さんの詩や写真とともに、優しい笑みを浮かべた人形たちが展示されていました。

その他に、丁寧に羽が作られたふくろうや、子どもが載った牛などの動物、おとぎ話の「桃太郎」のストーリーを描いた作品など、初めて見る作品も多く、作風の広さに驚きました。

思わず目が合ってしまう「青芳ふくろう」

かわいい桃太郎の世界。

壺の形をした人形。赤ちゃんを抱いたデザインも。

まとめ|癒しの時間が流れる「青芳人形展 掌と空のあいだに」

森元青芳さんは2013(平成25)年に亡くなりました。

最初は「どうして伊方町のミュージアムで開催されるのだろう?」と思っていたのですが、説明を見ると、青芳さんは伊方町九町のご出身。今回の展覧会のサブタイトルの通り、まさにふるさとへの「里帰り」というわけですね。

青芳さんは、誕生日がひな祭りの日だったことから「人形づくりは宿命だ」と語っていたといいます。あえてこの時期に開催期間を合わせたのかな、と思いました。

会場全体が柔らかな空気に包まれていて、来場者から「癒されるね」という声が聞こえてきました。ホッと心がゆるむような優しさと、内面を見透かされているような厳しさを併せ持つ、青芳人形の魅力を改めて感じられる展覧会でした。

当初は3月いっぱいで終了予定でしたが、好評のため5月10日まで会期が延長されています。ぜひ、青芳人形に会いに訪れてみてください。

「青芳人形展 掌と空のあいだに」のアクセス・基本情報

訪れたイベント/青芳人形展 掌と空のあいだに(佐田岬半島ミュージアム特別展)
開催日/2026年2月14日~5月10日 9:30~17:00(最終入館16:30)
開催場所/佐田岬半島ミュージアム
開催住所/愛媛県西宇和郡伊方町塩成乙293
駐車場/あり
料金/無料(常設展示室は入館料が必要)
問い合わせ先/佐田岬半島ミュージアム
電話番号/0894-21-3400

えだまめ

この記事を書いたのは

えだまめ

植物好きのインドア派オタク主婦ライター。中学生&小学生女子の母親です。
「メジャーなスポットやイベントでも、新たな視点や気付きが伝わるよう心がけています。」

得意ジャンル:

歴史・アート・子育て

〇松山市在住
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