
こんにちは、えだまめです。
ずっと訪れてみたかった東温市の「高畠華宵大正ロマン館」に行ってきました!
土日祝のみ開館。大正ロマンが息づく高畠華宵の美術館へ
高畠華宵は、大正から昭和にかけて活躍した挿絵画家です。少女雑誌や婦人雑誌で描かれた粋なセンスの和服や洋服の美しい乙女や美少年は「華宵好み」と呼ばれ、人々の憧れの的であったと言われています。
出身地は宇和島ですが、東温市下林に「高畠華宵大正ロマン館」があり、華宵の作品を鑑賞することができます。
こちらの施設は現代の私たちが“大正ロマン”と呼ぶ、レトロな雰囲気に触れることができる個人美術館で、営業は土日祝日のみ。
近代の文化に興味がある私にとって、かねてより訪れてみたい場所でしたが、平日にしか動けないためずっとお預け。今回ようやく念願が叶った訪問となりました。

建物を囲む緑豊かな庭。近くの山からウグイスの鳴き声が聞こえてきました♪

自由に思いを書き込めるノートが置かれています。

展覧会のテーマに合わせて杉浦非水の図録と「花のこばなし」が展示されていました。

クイズや占いなど、館内を楽しめる工夫がいっぱい。

気軽に立ち寄れるグッズコーナー。
大正時代の大ベストセラー小説「花物語」と華宵
私が訪れた日は、展覧会「花の静けさが彼女のものとなるーThe Story of Flowersー」の開催期間中でした。
説明には「華宵の作品に描かれた花の情景を中心とした、大正時代の少女(女性)たちの心象と花の世界をたどります」とあります。早速、最初の展示室「花物語」の部屋へ。
そこに展示されていたのは、大正時代の少女小説のベストセラー、吉屋信子著『花物語』の現物。「花物語」は「白百合」「桜草」など、各篇に花の名が付けられ、少女たちの友情や憧れが叙情的に綴られた作品です。
この「花物語」のあらすじとともに、タイトルになった花を描いた華宵の作品が展示されているのですが、それらは挿絵ではなく、便箋や口絵などとして残された花の絵。
さまざまなシチュエーションやポーズ、衣装に花が溶け込むように配置され、色っぽさのある顔や当時の最先端の衣装はもちろん、指先や髪の表現まで美しく描かれていて、グッと引き込まれました。

まずは「花物語」の部屋から。

「花物語」は何度も再版されたそう。まさに乙女のバイブル。

「花物語」各篇のあらすじもあり。百年前の少女が夢中になったんですね。

六曲一双屏風「移り行く姿」は日本画作品。明治から大正、昭和にかけての服装の変遷が見られる大作。

「華宵好み」というブームが起きたのも納得の、素敵なコーディネート。
ロマンチックで意味深な花言葉。バラの描き方にも注目
次は「花言葉の部屋」。 チューリップは愛の宣言、スズランは希望など、花言葉の紹介とその花を描いた華宵の絵が展示されていました。
私は花が好きなのですが、知らなかった花言葉が多くて勉強になりました。中には複数の種類の花を組み合わせる方法もあるそうで、花言葉を意識してから改めて絵を見ると意味深に感じられて面白かったです。
当時は若い女性や男性が、言葉の代わりに花を用いて気持ちを伝え合っていたとのこと。とてもロマンチックですね♪
さまざまな花を描いた華宵ですが、特に愛したバラだけは少し特別で、背景に添えられるのではなく、少女(女性)が手に持つポーズが多いそうです。

「花言葉の部屋」では当時の雑誌や写真絵葉書も展示されています。

「ピクニック」っていう言葉は大正時代に使われていたんですね。

当時の写真絵葉書。西洋でも少女と花の組み合わせは王道だったよう。

バラには思い入れがあったという華宵。
憧れの大正レトロを堪能できる「暮らしの中の花」コーナー
第三展示室は「暮らしの中の花」。大正時代のくらしの中に息づいていた花の意匠を紹介するコーナーで、双六や着物、食器など、当時実際に使われていた品々が展示されていました。
中でも、私が特にテンションが上がったのは大正時代の着物!この時期の着物は大胆な柄や鮮やかな色使いで現在でもアンティークとして人気があり、お直しをして着る人もいるくらいです。
写真だけでなく現物も展示されていて、本物の「大正レトロ」の魅力に思わず見入ってしまいました。
この展示室で私が特に気になったのは、パーティーの一場面のような絵。100年前の上流階級の華やかな空気を感じる一枚の絵の中には和装と洋装の女性が描かれており、服飾の歴史が分かり、とても興味深かったです。

「暮らしの中の花」で展示されていた大胆な柄の大正時代の着物。

華宵の実家に残されていた、モダンな洋食器も。

襟巻がすごい(笑)当時の流行を感じられて楽しいです。

喫茶スペース「カフェ・カショー」は入館料なしで利用できるそう。

新緑を楽しみながら、クリームソーダをいただきました。
まとめ|ハイセンスな華宵の美意識を感じられる「高畠華宵大正ロマン館」
華宵の実家に残されていた、花をあしらった食器類の展示もありました。こんな美しい食器を揃えたり、使っていたのかと思うと、華宵の美意識の高さに改めて驚かされます。
当時の絵葉書や写真など、華宵の絵以外にも見どころが多く、楽しすぎてつい長居してしまうほど。帰り際には館長さんが声をかけてくださり、少しお話をすることもできました。
今回の展覧会では、大正・昭和初期の品物が他の展覧会よりも多く出展されていたそうで、当時の物を見たかった私には幸運な内容でした。
ハイヒールや帽子など、当時流行したアイテムを描いた絵には「モガ」のリアリティと独創性があり、画家というよりイラストレーターの仕事だなと感じました。
絵の展示だけでなく、チェストや椅子などの館内に置かれたインテリアも魅力的で、耽美な世界と大正ロマンに浸れる唯一無二の美術館だと思います。
開館日は限られていますが、近代の文化に興味のある方はぜひ訪れてみてください。
高畠華宵大正ロマン館のアクセス・基本情報
訪れた展覧会/花の静けさが彼女のものとなる ーThe Story of Flowersー
開催日/2026年4月4日~6月7日 11:00〜17:00(入館締切16:30)
開催場所/高畠華宵大正ロマン館
住所/愛媛県東温市下林丙654-1
駐車場/あり
料金/一般500円・中高大学生400円・65歳以上/障害者手帳をお持ちの方400円
問い合わせ先/高畠華宵大正ロマン館
電話番号/089-964-7077