「えぷり」とは?

【南予みらい逸品堂vol.2】貴重な河内晩柑!?

2021.7.28 えひめのあぷり編集部

近い将来、愛媛を代表する存在になる、
かもしれない!?

南予で作られる“未来の逸品”を探し求める企画
『南予みらい逸品堂』。

その調査隊員からのレポートをお届けします。

“木成り”河内晩柑のウワサ

こんにちは!
「南予みらい逸品堂」調査隊・ひかりりです。

やっと四国地方も梅雨が明け、
太陽が眩しい季節になりましたね!

今回のお目当ては、
ずばり「河内晩柑(かわちばんかん)」。

「1年目と2年目の果実が共存している河内晩柑がある」という噂をききました。

その真相を探るべく、今回は愛媛県の最も南にあるまち、愛南町へ!

こちらは今回案内してくれた「上田みかん」の代表・上田修さん。

穏やかな笑顔が素敵な、河内晩柑の生産者さんです。
上田さん、早速ですが、ウワサの河内晩柑の場所まで
案内をお願いします!

1年目と2年目が共存する光景

しばらく山を登ると黄色い実が見えてきました。



なるほど、これが河内晩柑の木なのですね。
果実は大きいものから小さいものまでさまざまですが、伊予柑よりは少し大きく、文旦よりは少し小さいサイズ感といったところでしょうか。


「ところで、“1年目と2年目が共存している”というのはどれですか?」
「では、木をよく見てみてください。ほら」

わぁ!!本当!!!
…わかりますか? もう少しアップにしてみましょう。

これです! 実ったばかりの青い実と、丸々とした黄色い実が同じ木に!


これは、「木成り栽培」といって、一般的には3月から4月にかけて収穫するものを、夏まで木に実らせておいて収穫する栽培方法のことをいうのだそう。

その間に次の年の花が実になるため、1年目と2年目の果実が共存するかたちになるというワケ。

2年目の果実を残したまま次の世代を実らせるのは、樹勢が強い河内晩柑だからこそ為せる業!それに、太陽がたくさん降り注ぐ愛南町の気候条件も河内晩柑の栽培にぴったりなポイントなのだとか。

たしかに木も大きい。
見るからに強そうな雰囲気を醸し出しています。

夏向きの爽やかでさっぱりした味わい

収穫時期による特徴は、味わいに現れるのだそう。

3月から4月にかけて収穫したものは糖度も酸度も高く、濃い味が楽しめる一方、5月から8月中旬に収穫したものは、適度に酸度が下がり程よく水分も抜け、引き締まった果肉の食感と爽やかでさっぱりとした味わいが特長なのだとか。


これは是非とも食べてみたい。…ということでいざ、実食!

外側の皮は厚みがあるため、
ハサミなどを入れると剝きやすいそうです。

いただきます!

う~ん!爽やかでさっぱりとした味わい!!
果肉もキュッと引き締まっていて、まさに夏にぴったりな逸品です。

まるごと一つ、ぺろりと美味しくいただきました。

はしごに上って、いざ収穫体験

しっかりと喉を潤したところで、
私も収穫を体験させていただきました。

高いところにある実は、木にかかっている特徴的なはしごで、収穫します。

脚をぷるぷると震わせながら、はしごを上り…

まずは、木から実を離します(パチッ)

次に、ヘタから飛び出た部分を丁寧に取り除きます(パチッ)

できた~!(ちなみに、私が収穫したのは5つです)

河内晩柑がゴロゴロ入ったキャリー箱が並ぶ姿は圧巻!収穫を待ちながら雨風に耐えた果実の外皮からは何とも言い難い風格が感じられます。

ちなみに、美生柑(みしょうかん)、愛南ゴールド、
宇和ゴールド…など、様々な呼び方がありますが、全て品種は同じ河内晩柑。
“木成り栽培”の河内晩柑は、インターネットのほか、
愛南町や宇和島市の産直市でも購入できますよ。

今回のまとめ

今回は木成り栽培の河内晩柑を調査しましたが、いかがでしたか?

初夏を乗り越え、風雨や夏の暑さに耐え忍び、
木の上になり続ける河内晩柑は、まさに南予が誇る逸品!

皆さんも、ぜひチェックしてみてくださいね。

「南予みらい逸品堂」では、引き続き不定期で
「南予の逸品」をご紹介していきます!

今回も、喉と心が潤った楽しい調査でした。次回も、お楽しみに!

過去の連載はこちら

▶【南予みらい逸品堂vol.1】幻の生にんにく?!│四国カルスト