愛媛県が、様々な地域課題の解決に向けて、多様な主体が団体相互で連携・協力する関係づくりの推進を図るセミナーを開催しました。
第1部では、受刑者等の専用求人誌「Chance!!」を発行する、株式会社ヒューマン・コメディ 代表取締役 三宅晶子氏の求人誌発行に至る経緯やこれまでの活動についてのお話から、“協働”のきっかけとなるポイントを学びました。
第2部では、「あったか愛媛NPO応援基金」の助成事業を活用して地域課題の解決に取り組んだNPO法人2団体の活動報告を行いました。
県内外の活動事例を通して、多様な主体が協働して課題解決に取り組むことの意義や、地域協働ネットワークを構築することの大切さを再認識しました!
[第1部]講演:罪を犯さずに済んでいる私たちができること
「非行歴や犯罪歴のある人の人生を少しでも後押しできる仕事がしたい。」という思いを人に会って伝えてきた。
その結果、私の思いに共感し、協力してくれる人が増え、物事が動き出し、過去を変えるきっかけ作りをする今の活動につながっている。
また、これまでに出会った人との縁やつながりにより、私の活動を応援し、関係者等へ紹介してくれる人も現れ、少しずつ活動が広がった。
自立援助ホームや出所者・受刑者支援のNPO団体でのボランティア活動の様子をSNSで発信。
それを見た友人が講演会を企画してくれたことがきっかけで、講演等に呼ばれるようになり、メディア出演も増えていった。
刑務所内はまだ紙社会。求人誌を作ろうにも方法が分からず、複数の知人に相談したところ、様々なアドバイスやアイディアをもらった。
また、求人誌の創刊にあたり、ボランティアのデザイナーをSNSで募集したところ、協力してくれる仲間が見つかるなど、新たな出会いもあった。
創刊当初は求人誌の配布先も少なく、応募はゼロ。
過去にボランティア活動をさせてもらった受刑者支援団体の協力により、同団体の会報誌に求人誌を同封してもらえることになり、受刑者個人約100人に求人誌を送付した結果、応募が増えていった。
また、知人の紹介や行政の協力もあり、今では、全国の少年院、刑務所、拘置所、更生保護施設、保護観察所にも配布。
様々な人や団体等との連携・協力でネットワークが広がり、求人誌を必要とする人に届けることができるようになった。
質疑応答では、参加者から多くの質問が寄せられた
[第2部]「あったか愛媛NPO応援基金」令和5年度助成先活動報告
久万高原町西谷地区は、高知県県境近く、人口128人、高齢化率72.7%の地域。TE to TEは地域活性化と高齢者支援を目的に地域住民が立ち上げた団体。
令和4年度より久万高原町役場と協働し、地域住民が主体となって「移住者誘致活動」をスタート。地域住民が企画・運営する「移住体験ツアー」を始めたものの、令和4年度はツアーへの問い合わせがなく、実施回数0回という結果に。その反省を踏まえ、令和5年度は「移住者向け住宅整備」と「情報発信」を強化して、「移住の先進地を目指す」ことに。
特に力を入れた情報発信の強化は、『あったか愛媛NPO応援基金』助成事業を活用して、地域情報誌へ広告を掲載。地域一丸となって、移住者誘致活動に取り組んだ結果、2組の家族の移住が決定!休校となっていた地元の小学校も再開し、移住者が地域行事等へ積極的に参加してくれるなど、地域活性化につながった。
『あったか愛媛NPO応援基金』助成事業を活用し、「宇和島語り部プロジェクト」を展開。
プロジェクトの目的は、平成30年7月の豪雨災害の経験を含む、宇和島の歴史の伝承活動を行う様々な団体が集まり、課題解決に向けて専門家の助言を受けながらワークショップを通じてチーム形成を行うこと。
そして、その伝承活動を映像として残すこと。
令和6年1月には「地域の『宝』を語り継ごう〜宇和島の災害・文化・歴史を語り継ぐ〜」というイベントを開催。
宇和島の歴史・文化・災害について、伝承活動を行っている団体を市民の方々に広く知ってもらう機会を設けた。
また、豪雨災害の被害の様子をまとめたDVDを作成し、その記録と記憶を後世に残した。作成したDVDは、中高生の防災教育等に活用。
これからも宇和島の歴史を大切に語り継いでいきたい。
「あったか愛媛NPO応援基金」について
寄附の手続きや助成事業については、愛媛ボランティアネットHPで詳しく紹介中!