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【久万高原 ふるさと旅行村】秋風と木漏れ日の中、村散歩(愛媛/久万高原町・おでかけレポ)

2025.11.19 とらのまる

こんにちは、フットワークの軽さが自慢!
気になる場所があれば、すぐに行ってみたくなる性分で、日々癒しや発見を求めてぶらりおでかけしている、とらのまるです。

自然の中を歩くのが好きで、今回は久万高原町にある「ふるさと旅行村」をぶらりと散歩してきました。
キャンプやアクティビティも人気ですが、今回はあえて歩くことにフォーカス。
秋の風と木漏れ日を感じながら、村の空気をたっぷり吸い込んできました。

久万高原町ってどんなところ? ふるさと旅行村の入り口で出会う風景

ふるさと旅行村があるのは、愛媛県のほぼ中央、標高500〜800mの高原地帯に広がる久万高原町。

四国カルストや面河渓など、自然の宝庫として知られるこの町は、夏は涼しく、秋は紅葉が美しい場所です。

村の入り口に立つ観光案内の看板には、町の見どころがぎゅっと詰まっていて、まるで宝の地図です。

「ここからどんな景色に出会えるんだろう」と、わくわくしながら歩き始めました。

久万高原町の観光マップ。自然・歴史・文化がぎゅっと詰まった宝の地図。

ふるさと旅行村の料金表です。
キャンプサイトはもちろん、木のぬくもりあふれるコテージ完備。

自然の中でのんびり過ごす休日にぴったりの、やさしい価格設定です。

受付横の売店にはキャンプ用品やちょっとした日用品も揃っていて、忘れ物があっても安心。スタッフさんの温かさも魅力のひとつです

アルパカとのふれあいや乗馬体験の料金表です。

なんと!ここでは、ふわふわのアルパカに触れたり、馬の背に揺られて高原の風を感じたりすることもでき、自然と動物に包まれる、やさしい時間が過ごせます。

ブランコや、トランポリンもあるのは、子ども連れには嬉しいポイントですね。

村歩き、はじまりは甘い香りと懐かしい屋根から

いよいよ、ふるさと旅行村の散策スタート。

まず目に飛び込んできたのは、かやぶき屋根の喫茶店「和蔵一畳庵」の看板。

どこか懐かしくて、まるで昔話の世界に迷い込んだような佇まいです。

花より団子!なんて思いながら、つい足がそちらへ。

和蔵一畳庵のメニューには、コーヒー、抹茶・ぜんざい・わらび餅などの甘味だけでなく、カレーまでも。ほっとする味に、つい長居したくなります

中に入ると土間が広がっていて、まるで昔話の世界に迷い込んだよう。

土間のひんやりとした空気と、土の匂いが鼻をくすぐり、時間がゆっくり流れているのを感じました。

囲炉裏のある店内は、まるで祖父母の家に帰ったような懐かしさ。現代ではなかなか見かけない貴重な空間です。

この建物は、国の登録有形文化財にも指定されています。

この縁側も、昔ながらの暮らしの温もりを思い出させてくれます。

皆さんはかやぶき屋根の役割はご存じでしょうか。

厚く重ねられた茅は、夏は涼しく冬は暖かいという断熱効果があります。さらに、茅の隙間が空気を通すため、湿気がこもりにくく快適な室内環境を保てるのです。

かやぶき屋根は、昔の人の知恵と手によって作られていて、見るだけでどこかほっとするような温かさがあります。

極楽堂にて草花の天井と祈りの静寂

村の奥へと歩みを進めると、ひっそりと佇む「極楽堂」が見えてきます。

その名の通り、極楽のような静けさに包まれた空間で、堂内に足を踏み入れると、まず目に留まったのは天井いっぱいに広がる見事な絵。

色とりどりの草花が丁寧に描かれていて、まるで空から花が降ってくるような幻想的な空間でした。

その繊細な筆遣いと、植物たちのやさしい表情に、思わず見上げたまましばらく動けなくなってしまいました。

静かに佇む極楽堂。正面から見たその姿は、凛とした美しさとやすらぎを感じます。

堂内を照らすレトロな電灯。柔らかな光が木の柱や天井画を包み込むように照らしていました。

ユリ、あさがお、バラなど見たことのある、なじみ深い草花がひとつひとつ丁寧に描かれています。

極楽堂は、石の上に柱を立てるという昔ながらの建て方で造られています。

地面に直接固定せず、自然の石を土台にすることで、地震の揺れをうまく逃がす構造になっているのだとか。

しかも、その石はまっすぐでも平らでもないのに、柱がしっかりと立っている!その技術と感覚に、思わず「すごっ!」と声が漏れました。

風に揺れるすすきと生き物との出会い

極楽堂を後にして、村の奥へと足を進めると、風に揺れるすすきの道が現れました。

背丈ほどもあるすすきが、さらさらと音を立てながら道を包み込むように伸びていて、まるで草のトンネルを歩いているようです。
陽の光を受けて銀色に輝く穂が、秋らしいやさしい景色をつくっていました。

ふと足元を見ると、のっそりと現れたのは「かんたろうミミズ」。
地元の方がそう呼んでいるという、太くて長い立派なミミズです。

そして、乗馬体験のエリアでは、馬に乗ってゆっくりと歩く人たちの姿がありました。

私の背丈ほどのすすきが風に揺れるすすきの道!

さらさらと音を立てながら、秋の光に包まれた草のトンネルです。

木漏れ日がやさしく差し込む森の中の道。
葉のすき間からこぼれる光に包まれて、歩く足取りも自然と軽やかになります

でたっ!これが「かんたろうミミズ」本当の名前はシーボルトミミズというのだとか。

乗馬体験をされています。人も馬も気持ちよさそうにのんびり歩いていました。

ふるさと旅行村を歩いた一日は、まるで時間がゆっくりと流れているかのようにかんじました。
かやぶき屋根の喫茶店で味わった甘味と囲炉裏のぬくもり、すすきの道を渡る風、森の木漏れ日、そして「かんたろうミミズ」との出会い。のんびりと歩く馬の姿。
どれもが、日々の慌ただしさを忘れさせてくれるような、素朴で豊かな出会いでした。

ここは、人の暮らしと自然が、長い時間をかけて寄り添い、育ち合ってきた場所。
山の恵みに感謝しながら生きる人々の営みが、動物たちのすみかと重なり合い、豊かな生態系を育んできたのですね。

村歩きの途中で出会った「かんたろうミミズ」や、のんびりと草を食む馬の姿。
それらは、自然の中に人が入り込みすぎず、けれども無関心でもない、ちょうどよい距離感の中で生まれた風景。

また季節を変えて、この場所を歩いてみたいと思います。


訪れた場所/久万高原ふるさと旅行村
住所/愛媛県上浮穴郡久万高原町下畑野川乙488

とらのまる

この記事を書いたのは

とらのまる

地域の魅力と日常を、現地目線で楽しく発信しています。
「四季折々の体験や地域のグルメ、自然体験などをお届けします。」

得意ジャンル:

おでかけ・体験・グルメ

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