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【日本料理 義若/新店】6席だからこそ、一人ひとりと向き合う。松山出身の料理人が営む日本料理店が千舟町にオープン(2026/10/8 愛媛/松山市)

2026.10.9 二木えりか(Erika Futagi)

10月8日、松山市千舟町に新たな日本料理店がオープンしました。
「日本料理 義若」は、松山市出身の料理人・北垣内将義さんが営む、カウンター6席限定の完全予約制の日本料理店です。

愛知・大阪の日本料理店で17年間経験を積み、料理長も務めた北垣内さんが、故郷・松山へ戻り、念願だった自身の店をオープンしました。

店内の中心にあるのは、約6メートルの檜の一枚板カウンター。
瀬戸内の魚介をはじめ、その時々で状態の良い食材を使った11品のおまかせ料理を、目の前で調理する様子を眺めながら楽しめます。

久万高原町での農業経験も生かしながら、「旬だから使う」のではなく、その日の食材の状態を自分の目で確かめ、料理を組み立てています。
今回は、北垣内さんに「日本料理 義若」を始めたきっかけや料理へのこだわり、6席に込めた想いについてお話を伺いました。

6席だからこそ、一人ひとりと向き合える店に

「日本料理 義若」の店内に入ると、まず目を引くのが約6メートルの檜の一枚板カウンター。
そのカウンターに並ぶのは、わずか6席です。

なぜ6席なのか。
その理由を北垣内さんは、「自分が料理やサービスのクオリティを保てるのが6席だったから」と話します。

料理がおいしいことはもちろん大切。
けれど、「料理がおいしいだけではだめ。空間を作るのは人だと思っています」と北垣内さん。

例えば、16,000円のコース料理を提供するなら、お客さんから見て「大将が忙しそうだな」と感じるような店にはしたくない。
一人ひとりのお客さんのことをきちんと見ながら、おいしい料理とサービスを届けたい。
そんな考えから、6席という席数にたどり着きました。

「料理は特別なもの。その時間に対して、お客さんにサービスを提供したい」
料理だけではなく、その料理を食べる時間そのものを大切にするのが「日本料理 義若」のスタイルです。

また、北垣内さんが大切にしているのが、「今日来たお客さんにとっては初めて」という感覚。
常連のお客さんであっても、その日が特別な時間であることに変わりはありません。
一人ひとりにしっかり向き合うことを忘れないようにしているそうです。

16,000円のコースは、決して安いものではありません。
だからこそ、料理だけでなく、その時間や空間、人とのつながりまで含めて「来てよかった」と思ってもらえる店にしたいと話します。

また、4名様から貸切での利用も可能です。
4名様分のコース料理を注文すれば、残りの2席をお子さまの席として利用することもできます。貸切の場合は未就学児のお子さまも利用できるため、家族の記念日やお祝いにもぴったり。
6席すべてを家族で使えるので、周囲を気にせず、家族みんなで特別な時間を過ごせそうです。

「わしにうまいもん食わせや」父の一言から始まった料理人の道

松山市出身の北垣内さんが料理人を目指すきっかけとなったのは、父親の何気ない一言でした。
「わしにうまいもん食わせや」
とてもシンプルな言葉だったそうです。

父親は料理人ではなく、土木会社を起業した人物。
そんな父親からの一言が、北垣内さんの料理人としての人生につながっていきました。

愛知・大阪の日本料理店で17年間修業を重ね、その後、料理長も経験。
さまざまな職場で働くなかで、多くの料理人やさまざまな働き方を見てきました。
その経験について、「色んな職場で働いた、色んな働き方をみれた。悪いところは反面教師にして、いいところはどんどん取り入れています」と話します。

17年間の経験のなかで見てきた「良いところ」「悪いところ」を、自分の仕事に落とし込みながら、料理人としてのスタイルを築いてきました。

そして、父親が亡くなったことをきっかけに、松山へ戻ることを考えるようになりました。

生前、応援してくれていた料理人という道。
父親が生きているうちには実現できなかった「自分の店を持つ」という夢を、故郷・松山で形にすることを決意しました。

「親がいるところという安心感がありますね」
そんな故郷への想いも、松山で店を開く理由のひとつだったそうです。

17年間の経験から身についた「丁寧な仕事」

17年間の料理人経験のなかで培った、北垣内さん自身の強みを尋ねると、「よく言われるのが『丁寧な仕事をする』ということですね」との答え。
数をこなしながらも、一つひとつ丁寧に仕事をすることが得意だといいます。

「器用でクオリティが高い」と言われることも多く、仕事ぶりはとても几帳面。
料理人としての技術だけでなく、目の前の仕事を丁寧に積み重ねる姿勢が、「日本料理 義若」の料理にもつながっています。

そんな北垣内さんが大切にしてきたのは、料理だけではありません。
父親がバドミントンの社会人サークルをしていたこともあり、自身もバドミントンを続けていました。
学生時代には陸上の短距離にも取り組んでいたそう。

料理とは一見違う世界ですが、長年ひとつのことに向き合ってきた経験も、現在の料理人としての仕事につながっているのかもしれません。

農業を経験して変わった、食材を見る目

「日本料理 義若」の料理を語るうえで欠かせないのが、久万高原町での農業経験です。
久万高原町では、父親が米やトマトを作っており、現在は兄がその農業を引き継いでいます。

北垣内さん自身も約1年間、トマト栽培に携わりました。
そこで実感したのが、「食材を自分で育てると、大切に扱うようになる」ということ。

トマトは、ただ水をやって育てればいいわけではありません。
芽かきをするなど、成長に合わせて細かな手間をかけて育てていきます。

そして、同じように育てても、おいしくできるものもあれば、そうではないものもある。
実際に自分で育てたからこそ分かる、食材ができるまでの手間や難しさ。

その経験を通して、食材一つひとつを見る目が変わったといいます。
現在は料理人自ら仕入れにも出向いているため、食材を見極める際にも農業経験が役立っています。

「旬だから」という理由だけではなく、実際に食材を見て、その日の状態を確かめる。
そんな姿勢が、「日本料理 義若」の料理の土台になっています。

その日の食材を見て変わる、おまかせ料理

「日本料理 義若」で提供されるのは、全11品のおまかせコース。
料金は16,000円です。

料理は決まった内容を機械的に提供するのではなく、料理人自ら仕入れた食材の状態を見ながら、内容を微調整しています。
そのため、メニューは約2日ごとに変わることもあるそうです。

例えば魚料理でも、「今日は西京焼きだけど、明日は幽庵焼きにする」というように、その日の魚の状態や鮮度によって調理法を変えることがあります。

「その時の魚の状態、鮮度でメニューを考えています」という北垣内さん。
季節の移ろいだけではなく、仕入れた食材そのものと向き合いながら献立を組み立てています。

そのため、初めて訪れたお客さんには初めての料理を。
次に訪れたときには、できる限り違う料理を。
「常連さんが増えてくれたらありがたい。変えれる限りは変えていく」と話します。

同じ店に何度も通う楽しみが、料理の変化にも表れています。

コースは大きく分けると全11品。
実は天ぷらだけでも4品ありますが、一度にまとめて提供するのではなく、一品ずつ揚げたてを提供します。

料理の提供時間は、レセプション時には約2時間半。
目の前で料理を作る様子を見ることができるため、待ち時間も長く感じなかったという声が多かったそうです。

お酒を楽しみながら、料理人の仕事を眺める。
6席のカウンターならではの時間の過ごし方です。

過剰な演出ではなく、素材本来のおいしさを

北垣内さんが料理で大切にしているのが、「素材本来のおいしさを楽しんでもらうこと」。

日本料理というと、近年では炎やドライアイスなどを使った華やかな演出もありますが、「日本料理 義若」では、そうした過剰な演出はあえて取り入れていません。
例えば、ゴマを使った料理なら、目の前ですり鉢でする。
一番香りが良い状態を、お客さんにその場で味わってもらう。
派手な演出ではなく、食材の香りや温度、食感といった、料理そのものが持つ魅力を大切にしています。

「過剰な演出はいらないと思っています」
そう話す北垣内さん。

休日には奥さんと記念日にフレンチやイタリアンを食べに行くこともあり、普段から新しい料理を食べることで気分転換をしているそうです。
一方で、自身が目指す料理は「こてこての日本料理」。
創作和食を食べ歩くというよりも、昔の書物などをひもとき、日本古来の料理を見ながら、それを現代の料理にどう取り入れるかを考えるのが好きだといいます。

伝統を大切にしながら、今の食材や技術で表現する。
そんな北垣内さんならではの日本料理が、「義若」で味わえます。

祖父の名前を受け継いだ「義若」

店名の「義若」は、北垣内さんの祖父の名前です。
北垣内さん自身の名前「将義」にも、祖父から受け継いだ「義」の一字が入っています。

「いつか自分の店を持つなら、祖父の名前を残したい」
そんな想いから名付けられました。

父親の一言をきっかけに料理人となり、17年間県外で経験を積み、農業を経験し、そして父親を亡くしたことを機に故郷・松山へ。
祖父の名前を冠した「日本料理 義若」は、北垣内さんがこれまで歩んできた時間そのものが詰まった店でもあります。

6席という小さな空間だからこそ、一人ひとりのお客さんに向き合う。
食材の状態を見て、その日の料理を考える。
派手な演出ではなく、素材そのもののおいしさを届ける。

「日本料理 義若」が目指すのは、料理だけを提供する場所ではなく、その日、その人にとっての特別な時間をつくることなのかもしれません。

松山で新たな一歩を踏み出す、料理人・北垣内将義さん。
17年間の経験と、久万高原町での農業経験、そして故郷への想いから生まれた日本料理を、6席のカウンターでじっくり味わってみてはいかがでしょうか。

日本料理 義若のSNSはこちら

日本料理 義若の場所はこちら

訪れた店名/日本料理 義若(ニホンリョウリ ヨシワカ)
住所/愛媛県松山市千舟町2丁目2−7
電話番号/080-8000-5276(10:00~18:00)
営業時間/完全予約制・一斉スタート(18:30~21:30)
定休日/不定休
駐車場/なし(近隣にパーキングあり)

予約のお電話またはテーブルチェックはこちらから

「えひめのあぷり」をダウンロード

日本料理 義若の基本情報

店名

日本料理 義若

住所

松山市千舟町2-2-7

電話番号

080-8000-5276

営業時間

18:30~21:30

定休日

不定休

駐車場

無(近隣にコインパーキングあり)

二木えりか(Erika Futagi)

この記事を書いたのは

二木えりか(Erika Futagi)

「伝えたいこと、伝わるかたちに」地域に寄り添い言葉でつなぐ、愛媛の3児ママライター。
「3児ママの生活者目線と取材力を活かし、地域の魅力や人の想いを温かく伝えます。」

得意ジャンル:

地域・子育て・暮らしなど

〇砥部町(東温市出身)在住
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