
2026年11月29日(日)、松山市・国指定重要文化財 萬翠荘で「オーケストラ ファン・ヴァセナール 室内楽シリーズ第27回」が開催されます。
今回は、ルイ14世の宮廷楽長リュリの音楽を受け継いだクープランとラモーに焦点を当てた『リュリを超えた二人』。
その見どころを紹介します。
リュリの音楽を発展させた、クープランとラモーとは
フランソワ・クープラン(1668-1733)とジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764)は、ルイ14世の宮廷楽長を務めたリュリから大きな影響を受け、イタリア音楽とフランス音楽の特徴的な部分を上手に組み合わせて発展させました。
現代に大きな名を刻んだこの2人が、その後のフランス音楽のみならず、ヨーロッパ音楽界の発展にどのような役割を果たしたのか。その魅力に迫ります。
当日は、クープラン『諸国の人々』より第1オルドル「フランス人」、第4オルドル「ピエモンテ人」、ラモー『コンセール形式によるクラヴサン曲集』より第2番、第3番、第4番を演奏します。
聴きどころは、当時のパリのピッチ「A=400」でのアンサンブル

今回の聴きどころは、A=400という当時のパリ周辺のピッチでのアンサンブルです。
日本のみならず、古楽が盛んなヨーロッパでも、このピッチでのアンサンブルを聴く機会は多くありません。
楽団主宰の赤津眞言さんの発案により、相川郁子さんがこのピッチのフラウト・トラヴェルソ(木製フルート)を持っていたことから実現しました。
現代ではなかなか体験できない、当時の響きに迫る貴重なひとときです。
実力派がそろう、個性豊かな演奏者たち

演奏を担うのは、バロック・ヴァイオリンの赤津眞言さん、フラウト・トラヴェルソの相川郁子さん、ヴィオラ・ダ・ガンバの田中孝子さん、チェンバロの西野晟一朗さんです。
赤津さんは、ハーグ王立音楽院在学中より、古楽復興の中心的存在であるラ・プティット・バンドのメンバーとして、長年ヨーロッパ各地で活躍しています。1990年にオランダのハーグで「オーケストラ ファン・ヴァセナール」を結成。毎年プログラムによって編成を変えて演奏しており、赤津さん以外のメンバーは入れ替わることもある中、完成度の高い音楽を練り上げてツアーに挑んでいます。
「ファン・ヴァセナール」は、赤津さんが暮らしていたオランダの伯爵家(貴族は働かないという当時の慣習の中では珍しく、名門貴族でありながら作曲家となった伯爵の一門)の名前で、その名を冠することを伯爵家より許された楽団です。
オーケストラ ファン・ヴァセナールの日本ツアーは、今年で27回目を迎えます。

相川さんは、臨床心理士の資格を取得後、ベルギーのブリュッセル王立音楽院に学び、フラウト・トラヴェルソの研鑽を積んだ、異色の経歴の演奏家。現在は室内楽やオーケストラで活動しています。
田中さんは、ガンバの演奏法を大きく発展させた国・フランスのグルノーブルに留学し、帰国後は、精力的な演奏活動、教育活動のみならず、フランス語の古楽文献の翻訳、古楽器に関するコラムの連載など、活躍の場を広げています。
西野さんは、第37回国際古楽コンクール山梨の鍵盤楽器部門で第2位に入った実力者。優雅に聴こえる一方で難曲として知られるラモーのクラヴサン・コンセールを、1回の演奏会で3作品も楽しめる貴重な機会です。
演奏者が運んでくるフレンチスタイルのチェンバロは、鍵盤が2段になっていて、レジスターによる音色の変化を存分に楽しめます。
瀟洒な洋館・萬翠荘で味わう、古楽器の響き

当日の演奏は、作曲された当時の楽器で行われます。
ガット弦(羊の腸)を張ったヴァイオリン、木でできたフルートのフラウト・トラヴェルソ、かつて王侯貴族が嗜んだヴィオラ・ダ・ガンバ、弦をはじく音が愛らしいクラヴサン(チェンバロ)。
当時の楽器と奏法を真摯に追い求めるオーケストラ ファン・ヴァセナールが、洗練された技術と柔軟な即興で、みなさんに心地よい時間を届けてくれます。
会場の萬翠荘は、フランス様式の建築である国指定重要文化財。
当時の貴族のサロンのような雰囲気の中で、日常を逃れ、気品あふれる音楽を楽しみましょう。
オーケストラ ファン・ヴァセナール 室内楽シリーズ第27回の基本情報


イベント名:オーケストラ ファン・ヴァセナール 室内楽シリーズ第27回 『リュリを超えた二人』 クープランとラモー フランス・バロックの辿った道
開催日:2026年11月29日(日)
開催時間:14:00開演(13:30開場)
開催場所:国指定重要文化財 萬翠荘
住所:愛媛県松山市一番町3-3-7
駐車場:あり(約20台。駐車台数には限りがあります。なるべく公共交通機関をご利用ください)
料金:一般4,000円(当日4,500円)、学生2,000円(当日2,500円)※自由席
問い合わせ:古楽サロン ムジカニア(muzicaniaa@gmail.com)