生産量34年連続日本一! 愛媛が誇るはだか麦|JA全農えひめ

2022.1.18 えひめのあぷり編集部

生産量34年連続日本一! 愛媛が誇るはだか麦

はだか麦の生産量34年連続日本一に輝く愛媛県。栄養価の高い食材として知られるはだか麦は、健康食品として注目されています。そこでここでは、知っておきたいはだか麦の特徴、そして生産者とパン職人のみなさんから魅力や今後の課題について対談形式で教えてもらいました!

\まず知っておきたい基礎知識/

愛媛県は34年連続生産量日本一!

愛媛県は全国生産量の35%を占めており、令和2年で34年連続生産量日本一に輝いている。県内では、西条市、松前町、東温市、松山市、今治市を中心に栽培。

食物繊維を豊富に含み健康食として人気!

「はだか麦」は白米の10倍以上もの食物繊維を含む。特に水溶性食物繊維である「β-グルカン」は、動脈硬化の予防や、血糖値の上昇を抑えるなどの効果が期待できる。

\生産者×パン職人対談/

はだか麦の生産量34年連続日本一に輝く愛媛県。
栄養価の高い食材として知られるはだか麦は、パン業界でも注目されています。
そこで今回は、はだか麦の生産者とパン職人、それぞれに魅力を教えてもらいました!

【プロフィール】※写真左から
うちだパン
代表取締役・内田さん
創業70年以上を誇る老舗ベーカリー。はだか麦を使った低糖質パンを製造し、はだか麦の魅力を発信!
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篠崎ベーカリー
代表取締役・篠崎さん
明治25年創業。2012年からはだか麦パンの販売をスタートし、現在では15種類の商品を製造している。
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粟井米麦センター組合
代表理事・山崎さん
北条エリアで14haの農地を持ち長年はだか麦の生産を行う。今では農地の半分を小麦生産にあて、さらに力を入れている。
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(有)ジェイ・ウィングファーム
代表取締役・牧さん
「地域から耕作放棄地は出さない」の方針をもとに、米麦二毛作、アワ、ヒエ、キビ等の雑穀の生産、加工・販売までの一貫経営を行う。

生産量 34 年連続日本一! 愛媛のはだか麦の魅力

牧さん(以下・M):はだか麦は栄養価の高い穀物として知られていますが、白米のおよそ10倍もの食物繊維が含まれています。中でも、「β-グルカン」が豊富で免疫力アップとコレステロール値上昇を抑える働きがあると言われています。愛媛県のお年寄りに元気な人が多いのも、昔から麦を食べていたことが関係していると僕は思いますよ。

内田さん(以下・U):はだか麦の栄養価について知っている人は積極的に生活の中に取り入れていますからね。
山崎さん(以下・Y):私はね、“34年連続生産量日本一”ということを正直そこまで意識はしていないんですよ。まずは、“高品質な麦”を作る。その努力の結果が日本一に繋がったと思うんです。他の生産者の方々もそうではないですかね?

M:そうですね。はだか麦は世界でも一部しか栽培されていない希少価値の高いものなんですよ。愛媛の気候と土地がはだか麦の生産に適していたこと、そして米と収穫時期が真逆だから同じ圃場(ほじょう)で2つの作物を交代で育てられるという効率の良さから、広まっていったんです。私たち生産者は、昔から守られていたものを大切に継承しているんですよ。

M:あと、収穫時期(5月頃)の、農地一面が黄色に染まる景観美も魅力だと思います。ずっと愛媛に住んでいる人は馴染みの風景かもしれませんけどね。麦の収穫時期を麦秋(ばくしゅう)なんて言いますが、愛媛では、米の収穫時期(10月頃)と合わせて、1年で2回秋の風景を楽しめるわけなんです。

「はだか麦パン」で 素材の美味しさを伝えたい

篠崎さん(以下・S):うちの店(篠崎ベーカリー)が、はだか麦を使ったパンの製造に着手したのは2011年頃でした。小麦に比べてはだか麦は水分量が多く、吸水も違い膨らみにくいため、何をどう混ぜるかが難しかったんです。生地を練ってすぐに形成しないと水が出てしまうし。そんなこんなで、手ごたえを感じる商品ができるまでに半年はかかりましたね。そこに、愛媛県の工業試験場から「はだか麦を使ったパンをブランド化して普及させたい」との話をもらって、私が理事長を務めている愛媛県パン協同組合と地元の穀粉メーカー「マエダ」さんと一緒に、パンに適したはだか麦の粉の開発を行うことになったんです。そして2012年に愛媛県は、はだか麦のミックス粉を使ったパンの製法特許を取得しました。当店ではその粉を100%使用したブランドパン「ひめの麦畑」を数種販売しています。

篠崎さんは、これまではだか麦のPR のために様々なイベントにも参加

U:私の店(うちだパン)では、お客様からの声もあり、はだか麦を使った低糖質・高食物繊維のパンを販売しています。はだか麦は糖質が低く、食物繊維も豊富、さらに水分量が多いため低糖質パンによくある“パサつき”を抑えることができました。2年もの研究期間を要しましたが、糖尿病の人をはじめ、健康に気を使っている人が購入してくれます。うちの代名詞的な商品になればと考えているんです。

「うちだパン」の店内にははだか麦パ ン専用のコーナーも!

S:ただ、はだか麦パンは通常の小麦のパンよりどうしても値段があがってしまうため食べてもらえる機会がまだまだ少ないのが現実です。小麦とミックスさせたら価格も抑えられるし、砂糖やバターをたくさん入れたらそれは美味しいパンができるんだけど、私たちが伝えたいのは“はだか麦の美味しさ”ですからね。うちに通ってくれる常連さんは、はだか麦特有の風味と、モチモチとした食感が気に入ってリピートしてくれますよ。

はだか麦を もっと身近な食材に

M:篠崎さんもおっしゃっていましたが、“生産量日本一”と謳いながら実際はだか麦を購入できる場所や機会が少ないんです。はだか麦パン以外に、スイーツや、味噌、はだか麦を使った様々な商品を県内の企業が開発して多くの人に食べてもらう機会を増やすことが今後の課題だと思います。そのために、私の会社でははだか麦の生産だけではなく、商品開発・製造まで行っているんです。

S:愛媛県内の学校給食でははだか麦パンが提供されています(地域により異なる)。だけど私は、まず大人が積極的に食べて、子どもたちにその美味しさを伝えることが必要だと思うんですよ。だから、小麦のパンより少し価格が上がったとしても、大人の方々に一度食べてほしいんです。

Y:私は、はだか麦本来の風味や食感を感じられる、篠崎ベーカリーさんとうちだパンさんのパンを食べて、その美味しさに驚きました。私たちが大切に育てたはだか麦がこんなに形で消費者の元に届くんだと思うと嬉しいです。

対談中ははだか麦の良さと課題、4名のリアルな声が飛び交った

M:愛媛県で“はだか麦ブーム”が到来するように、私たち作り手側の努力はもちろんですが、消費者のみなさんもはだか麦に興味を持ち、加工品を手に取って味わってみてください。これからも愛媛が誇る特産品・はだか麦をみんなで守り、広めていきましょう!

\ここで買えるはだか麦パン/

うちだパン 松山中央店

住/松山市中央1-12-1
電/089-989-7262
営/7:00~19:30
休/木曜
P /有

うちだパンHP

篠崎ベーカリー

住/伊予市灘町137
電/089-983-4020
営/7:00~19:00
休/日曜、祝日
P /無

篠崎ベーカリーHP

\はだか麦の加工品/

基本情報

店名

JA全農えひめ(営農食糧部食糧生産課)

ジャンル

パン 愛媛県 

住所

松山市南堀端町2-3

電話番号

089-948-5415

営業時間

9:00~17:00

定休日

祝日 日 土 

駐車場