愛媛県では、下記3つの観点から、デジタル・ソリューションと関連技術(AI,IoT,ロボティクスetc...)を愛媛県内事業者・自治体等に実装し、地域課題の解決にチャレンジする「デジタル実装加速化プロジェクト」を2022年度スタートしました。
継続事業者のプロジェクトの事業紹介をします。
動物園・水族館の動物たちに「食事」を贈って、大好きな動物の成長を応援する推し活サービス「Hello!OHANA」。
動物へプレゼントするエサ調達や限定の体験イベント、サイトの開発など導入に向けた実装検証を進め、ついに2023年10月にWebサイトがリリースされた。
今年度の実装に向けた取り組み内容をはじめ、会員ユーザー(以下:ユーザー)が“推している”動物に実際に会った「Hello! OHANA」限定の体験イベントの様子をレポートする。
「Hello!OHANA」のサービス内容
ユーザーは全国の提携する動物園・水族館から気になる動物を見つけ、毎月メニューの変わる食事をプレゼントする。次に、ユーザーがサービスを通して支払ったエサ代で、愛媛県内の生産者や水産加工会社から不揃いの果物・野菜や大量に水揚げされた魚などが購入され、対象の動物に配送される。そして、ユーザーには、動物が食事をしている動画が提供されるという仕組みだ。
パートナー動物園・水族館の拡大
今年度、愛媛県内の「愛媛県立とべ動物園(愛媛県伊予郡砥部町)」と「虹の森公園おさかな館(愛媛県松野町)」の2施設がパートナーに新規参画した。
両施設からは、オランウータンやチンパンジー、フンボルトペンギンやコツメカワウソなど約10頭の動物たちをご紹介している。
また、ブログ記事などのコンテンツにも力を入れている。
ブログ記事では、実装パートナー先で暮らす動物の生態やプロフィール様子を写真や飼育員さんのエピソードを交えて紹介している。
サービスに関する意見やリクエストも随時募集しており、更なる利便性の向上を目指していく。
「Hello!OHANA」のユーザー限定の体験
「虹の森公園おさかな館」でユーザー限定で開催された体験の様子
「Hello!OHANA」では、ユーザーに向けた重要な取り組みとして、各パートナー動物園・水族館で好きな動物と触れ合えるイベントを定期的に開催している。
それまでWebサイトで見ていたお気に入りの動物に会いに行くことで思い出を作ることができ、ひいては現地にいなくても動物を応援したいと思い続けられることで、サービスの継続的な利用が期待できる。
ユーザーに向けた体験イベントの一つであるコツメカワウソへのエサやり。イベントであげることのできるエサは、ユーザーからの食事のプレゼントで水族館に届いたものだ。自身が毎月プレゼントしているエサを好きな動物に会いに行くことで直接食べてもらうことができるのもこの体験の魅力。
また、プレゼントしているエサは、サイズが小さいなどの理由で価格が手に入りやすくなったものを水産加工会社から調達し、活用している。
飼育員から動物についての説明を受ける様子
興味のある動物の生態について飼育員から直接学ぶことで動物への理解を深めたり、「推し活」の醍醐味である動物との記念撮影をしたりなど、現地でしか体験できない「Hello!OHANA」ユーザー限定のイベントを少しずつ増やしている。
体験内容の拡充によって他の動物たちにも出会える機会を増やし、繰り返し水族館に足を運んでもらうことで、今年度の実装事業の目的の一つでもある“熱心なファンの獲得”に繋げる狙いだ。
「推し」動物に会いに来たユーザー、イベントを開催したパートナー水族館の声
「Hello!OHANA」で応援していた「推し動物」と会うことができたファンから、イベントやサービスについてのインタビューを実施した。
<イベントに参加したユーザーの感想>
●柵やガラス越しでしか見れない動物を目の前で見られる距離の近さ。推しを身近に感じられた。
●普段は入れないバックヤードを見られたのが面白い。飼育員さんも質問に対して丁寧に答えてくれて勉強になった。
●カワウソにエサを与えたりペンギンと写真を撮ったりなど、通常ではなかなかできないことを体験できたのが良かった。
●ピラルクの鱗など普段触れないものが触れるなど、貴重な経験ができた。
●直接(推しの動物に)何かすることは普段からはできない分、こうして贈っていたプレゼントを直接渡すことができて嬉しい。これからも便利なサービスを使っていきたい。
<パートナー水族館の事業に対する想い>
●エサのサイズもちょうど良く、動物たちが喜んで食べてくれて良かった。
この事業を通じて少しずつおさかな館の動物・魚たちを知ってもらえて嬉しい。
●全国の人たちに足を運んでもらえるように、また動物・魚たちが活き活きと健康に過ごしてもらえるように事業に協力しながら頑張っていきたい。
●大人の方たちにもイベント・体験を通して楽しんでもらえているので、おさかな館をきっかけにパートナー先の水族館以外の水族館にも関心を持ってもらって、水族館の収入に対する施設の固定費・エサ代・燃料費等の負担が上回ることによる経営赤字という問題を乗り越えていきたい。
3つの軸で事業を進めていくための取り組み
「Hello!OHANA」のリリースから1ヵ月程で来園した人が多く見受けられ、Webサイトで「推し動物」を見つけて現地に会いに行くという流れができ始めている。実際、県外在住のユーザーが愛媛県の動物園・水族館にも来園しており、出だしは好調だ。
愛媛県では5社の生産者との連携を築いており、動物たちが安心・安全に食事を楽しめるよう、エサの配送方法や管理方法についての相談もしている。
今後は、Webサイトで出会える動物の種類や数を増やすことで、ユーザー自身が知らなかった動物たちと出会えるきっかけを増やしていく。さらに、パートナー水族館・動物園、生産者とともに提携先を拡大していき、新規ユーザーの獲得に繋げる意気込みだ。
「Hello!OHANA」のログイン画面
「Hello!OHANA」のマイページ画面
2024年2月からは会員登録機能とマイページ機能を追加し、従来のメールでのユーザーとのやりとりからWebサイト上でメッセージが送られる機能や購入履歴の可視化を実装している。
ユーザーからの意見を反映しながら、使いやすい「推し活」サービスの提供を目指す。
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