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まるでスイス!大野ヶ原で自然散歩体験【愛媛/西予市】

2025.7.22 えひめのあぷり編集部

広がる絶景!大野ヶ原の高原風景

こんにちは!愛媛に根ざし時を重ねてきた、えぷりライターsatokoです。
目の前に広がるどこまでも続く緑の草原。
まるで空に浮かぶ島のような静けさと開放感。
遠くには牛たちがのんびりと草を食べる姿が見えます。

ここは標高1000メートルを超える高原。西予市にある「大野ヶ原」です。
今年は記録的にも早い梅雨明けが発表され、6月からすでに真夏のような暑さになっています。
まだ体がこの気温に慣れておらず、今日は暑さから逃げるように涼を求めて大野ヶ原にやってきました。

四国カルストの西端に広がる大野ヶ原は、街の熱気が嘘のように涼しい風が吹き抜けています。
夏でも上着が必要なほどの涼しさです。
見渡す限りの草原と、点在する白い石灰岩、のんびりと放牧された牛の姿は、日本離れした風景です。
牛たちが草原の中を自由にのんびりと歩き回っている姿を眺めていると、心も自然と穏やかになり日常のストレスも消えていく感覚を味わえました。

ここ大野ヶ原には「森の母」とも呼ばれているブナの原生林があります。
遊歩道も整備されているそうなので、ピクニックを楽しんできます。

その前に、ブナについての説明と豆知識。
ブナとは、日本の温帯林を代表する樹木。
秋の落葉によってふかふかの腐葉土を作り、土壌にたくさんの雨水を溜めこむことで、豊かな森を作っているそうです。

ブナの原生林で森林浴

夏でも涼しい別世界!ブナの原生林を探検!

原生林への入口を示す看板がありました。
ここから約500メートル、緩やかな坂道が森の奥へと続いています。

広々とした牧草地が広がり、遠くには放牧された牛たちの姿。
絵本の世界に入り込んだような、のどかな風景が広がっています。
風が気持ちよく、森に向かう静けさが少しずつ増していきます。
足元は草が生え、場所によってぬかるんでいるところもありますが、それも自然のままの景観が保たれている証拠ですね。
マダニ対策として長ズボン、長靴で行かれることをおススメします。

どこからか聞こえる鳥の鳴き声は、澄んだ森の空気に溶け込みんでいて、そんな自然の音色が心をさらに穏やかにしてくれます。

遊歩道を進んでいくと、ところどころに原生林やブナについて解説した看板が立っています。
ブナの生態や森の役割、ここに生息する植物や動物についてなど、分かりやすい説明がたくさん。
歩きながら看板を読み、森の知識を深めていくのも楽しみのひとつですね。

ピクニックというより、これは冒険!

草が思った以上に生い茂っていて、一瞬足が止まりました。
「この先、本当に進めるのかな?」と、正直ちょっとだけ迷いがよぎるほど。
これも冒険の醍醐味⁉
前向きな気持ちで一歩を踏み出しました。
こんな予想外のハードルも、自然の中だからこそ味わえる特別な体験です。

草をかき分けて進みます。
自然のエネルギーを全身で感じます。

倒木が道をふさいでいる場所もあって、乗り越えたり、くぐったり。
まるで森のアスレチック!
冒険心をくすぐられながら、一歩一歩、森の奥へと進んでいきます。

重なり合う葉っぱの隙間からこぼれるやわらかな光。
見上げていると、森の時間がゆっくりと流れているのを全身で感じ、心も体も軽くなりました。

原生林の中に流れる小さな沢がありました。
澄んだ水が石の間を静かにすり抜けていきます。
苔むした岩や倒木の陰をそっとのぞき込むと、生き物が隠れていそうで心が躍ります。
森の奥深く、沢のせせらぎとともに、まだ見ぬ自然の物語が静かに続いているような、そんな気がして、しばらく立ち止まってしまいました。

草をかき分け、倒木を乗り越え、沢を渡って・・
思っていた以上に過酷な冒険でした。
でも、不思議と疲れよりも、また歩きたい!という気持ちが強く残っています。
自然の中で自分の足で進んだ道のりや、森の静けさ、そこでしか出会えない景色や生き物たち。
大変だったからこそ、次はどんな発見があるだろうと、もうすでに楽しみになっています。

冒険の後のご褒美!

お次はポニー牧場へ。
ウサギやポニー、ヤギ、鹿など、たくさんの動物たちがのんびりと過ごしていて、ふれあい放題!
ウサギのやわらかな毛並みに癒されたり、ポニーにそっと触れてみたり、ヤギや鹿も人懐っこくて、思わず笑顔になってしまいます。

人の気配を気にすることもなく、ただ静かに、そして堂々とこの大地の一部として過ごしている牛。

ふわふわの毛並みの大きなウサギもいました。
落ち着いた姿はまるで牧場の主役のようです。
近くでじっと見つめていると、ウサギの穏やかなまなざしや、もぐもぐと草を食べるしぐさがとてもかわいいです。

のんびりと草を食べるヤギたちは、牧場の人気者。
広い草原には食べきれないほどの草があって、まさに食べ放題の毎日ですね。
その姿は、ただ食事を楽しんでいるというより、せっせと草刈りの仕事をしているようにも見えてきます。
ヤギがいるおかげで、牧場の草も自然にきれいに保たれているのかな⁉
人間にとってもありがたい存在。
近くで見ていると、ヤギたちの働きぶりと愛らしさに、思わず笑顔になってしまいます。

年老いた鹿が、ゆっくりとこちらに近づいてきました。
鹿って警戒心が強いイメージがあったけれど、この子はとても人懐っこくて、そっと手を伸ばすと穏やかな目で見つめ返してくれます。
時には「害獣」と呼ばれることもある鹿ですが、ここ大野ヶ原では人と動物が自然に寄り添いながら暮らしているんだなと実感しました。

囲われた広場でのんびりと歩いていたポニーが、こちらへゆっくりと歩み寄ってきてくれました。
その大きな瞳と優しい表情。
なんだか心が通じ合ったような気持ちになりました。

動物たちとたっぷり遊んだあとは、名物のアイスクリームを。
自然の中で食べる冷たいアイスは格別で、歩き疲れた体にじんわりしみわたりました。

大野ヶ原で過ごした一日は、まさに“冒険”そのものでした。
思いがけず過酷な場面もありましたが、その分、森の奥で出会った清らかな沢や、そこで息づく生き物たちの気配に心が躍りました。
冒険を終えて牧場に戻れば、のんびり草を食む牛やポニー、ヤギ、愛らしいウサギ、そして人懐っこい鹿たちが迎えてくれます。
動物たちとふれあい、自然の恵みを味わいながら過ごす時間は、日常の慌ただしさをすっかり忘れさせてくれました。
ここ大野ヶ原では、人と動物、そして自然がゆるやかに共存し、誰もがありのままの自分でいられる場所だと感じます。
森の静けさや動物たちの温もり、そして小さな発見や出会い。
すべてが心に残る、かけがえのない体験でした。
また季節を変えて、何度でも歩きたくなる、そんな場所です。
自然も動物も、そして美味しいものも!
大野ヶ原の休日は、心もお腹も大満足でした。

地域名/四国カルスト
住所/愛媛県西予市野村町大野ヶ原