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伊豫豆比古命神社(椿神社)の夏越祭【愛媛/松山市】

2025.9.11 えひめのあぷり編集部

半年間の罪やケガレを祓い清め、残り半年間の無病息災を祈る

こんにちは、えだまめです。
我が家は毎年、7月末日の夜に執り行われる伊豫豆比古命神社(椿神社)の「夏越祭(文月大祓式)」に出かけています。

この祭は茅で作られた大きな輪(茅の輪)をくぐり、「旧暦の新年より半年間の日常生活の中で身についた「罪・穢れ」を祓い清め、残り半年の無病息災」を祈念するというもの。

調べてみると6月30日に行われる神社が多いようですが、椿神社は毎年7月31日と決まっています。
この夏越祭は、県内外の人で賑わう初詣や椿さんとはちょっと雰囲気が違う「地域の祭り」。

7月になると回覧板で人型の形代と車用の形代が届くので、その形代に名前や年齢を書き、息を吹きかけ、身体にこすりつけて無病息災を祈り、枕の下に敷いて一晩寝ます。

提灯に明かりがともった椿神社の楼門。

駐車場には露店が並んでいます。かき氷が食べたい~

祭用なのかな?境内にスプリンクラーが設置されていました。

濃い緑の杜に映える、ピンク色の百日紅(サルスベリ)。

形代を納め、茅の輪をくぐる。椿さんとは少し違った夏の夜の祭

祭の日に、その形代を神社に納めるのですが、時間帯によっては階段下まで行列ができます。
私たちは毎年夕方5時前に行くのですが、今年は少し遅れて6時過ぎに到着。

まだ明るい境内には大勢の人。そして駐車場には露店。
蝉の声と発動機の音が響き、夏の夜の祭りだなと感じる風景です。

正面の鳥居をくぐり、まずは手水舎で口と手を清めるのですが、私は毎年、この手水舎に飾られた花を見るのが楽しみ。
この時期ならではの生花が花瓶や鉢に生けられ、とても華やかです。
今年はコロナ禍以前のように、柄杓が置かれていました。

境内にある児守神社や奏者社をお詣りした後、列に並んで形代を納め、本殿を参拝し、茅の輪をくぐって廻廊を一周。
私は毎年このような流れでお詣りをしています。

手水舎に生けられた花。ゴージャス!

今年から柄杓が復活したそうです。

大勢の人でにぎわう本殿前。

19:30~人形供養の儀式も行われます。

「ミスタープロ野球」長嶋茂雄さんの玉垣に刻まれた歌とは…?

さて、今年、車の形代がもう一枚必要になり、神社に問い合わせたところ、拝殿の賽銭箱の傍に置いてあるので自由に持ち帰って良いとのことでした。
さっそく訪れて形代を受け取った際に、今年6月に亡くなった長嶋茂雄さんが奉納した玉垣があるという話を思い出し、ちょっと境内を散策してみました。

椿神社の玉垣は松山らしく俳句が刻まれたものが目につきますが、好きな言葉を刻めるそう。
長嶋さんの碑には正岡子規の短歌が刻まれていました。

「今やかの三つのベースに人満ちてそゞろに胸のうちさわぐかな」

通算本塁打444本や日本シリーズMVP4回、天覧試合のHRなど世代が違う私でも「スター」だと思える方ですが、自分の功績を誇るものではなく、野球って楽しいんだよ、という気持ちを伝える歌を刻んだところに長嶋さんの人柄を感じました。

長嶋茂雄さんの名前が刻まれた玉垣。ぜひ探してみてください。

下の子は浴衣を着て行きました。

廻廊に設置された茅の輪をくぐります。

廻廊の途中には、おみくじがずらりと並んでいます。

七夕飾りが揺れる境内で厳かな「夏越大祓式」。拝殿では「人形感謝祭」も

夏越祭の日には、色鮮やかな七夕飾りや短冊が吊るされた竹が境内に飾られ、毎年我が子たちも願い事を書き、こよりを結んで吊るしています。

やがて境内の一カ所に人が集まりはじめ、6時半から「夏越大祓式」が始まりました。
神官が何かを火をくべ、祝詞を上げており、とても厳かな様子。

集まっている人たちはおそらく地元の方や関係者なのでしょうが、近くにいた私にも蛇腹に折られた「神拝詞」が配られました。
中には「大祓詞(おほはらへのことば)が書かれてあり、後で調べてみると、これはその名前の通り、夏越の祓いと年越の祓いの「大祓」の時に唱える祝詞でした。
なんと1200年以上昔から唱えられてきたという話もあり、この「夏越しの大祓」は日本人が長い間大切にしてきた行事なのだなと改めて実感しました。

境内には色鮮やかな七夕飾りが。

短冊とペンが用意されているので、願い事を書いてその場で吊るせます。

「神拝詞」をもらいました。振り仮名付きなので子どもでも読めます。

初めて焚き上げの時に立ち会いました。とても厳か。

半年間、無病息災で乗り切りたいですね。

椿神社では夏越祭と同じ日に「人形思い遷しの集い~人形感謝祭~」という人形供養の儀式も行われます。
神職がお祓い・お清めをした後に自身でお焚き上げをするというもので、神事として行われるため、きちんとした身なりで参加しなければならないそう。

長年大切にしてきた人形に感謝の気持ちを伝えながらお別れできるのはケジメがついて良いなあ、と思いました。

地域の人たちに愛されている、椿神社の夏越祭(文月大祓式)。
歳を重ねるにつれ、無病息災を祈る気持ちが強くなっています。

特に近年は夏の暑さにへばってしまうことが多いので、毎年しっかりお詣りしたいと思います。

●伊豫豆比古命神社(椿神社)
●松山市居相2-2-1
●089-956-0321

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