
「子どもに本物の生き物や標本を見せてあげたい」「いつもとは少し違うおでかけを楽しみたい」
そんな方におすすめしたいのが、久万高原町にある「面河山岳博物館」です。
館内では、昆虫や動物、植物など、久万高原町や石鎚山系の自然に関するさまざまな資料を展示しています。
さらに、これまでにもカブトムシや危険生物、外来種など、思わず「見てみたい!」と感じるユニークな特別展を数多く開催してきました。
今回は、開館35周年を迎えた「面河山岳博物館」を訪問。
35周年記念特別展「驚異の部屋」を見学しながら、学芸員の矢野真志さんに館内の見どころや、博物館だからこそ伝えられる自然・生き物の面白さについてお話を伺いました。
知れば知るほど面白い、面河山岳博物館の魅力をご紹介します♪
久万高原町の自然を身近に感じられる「面河山岳博物館」

面河山岳博物館では、久万高原町の豊かな自然を題材に、さまざまな角度から生き物の魅力や特徴を伝えてきました。
特に、身近な生き物から普段なかなか目にすることのない生き物まで、興味を引くテーマを取り上げた展示が行われています。

2026年には開館35周年を迎え、今回の「驚異の部屋」は59回目の特別展にあたります。
これまでにも、以下のような生き物や自然をテーマにした個性的な特別展を数多く開催してきました。
・えひめの外来生物
・えひめの絶滅危惧種
・カブトムシ
・骨のかたち
・怪物昆虫
・家の中のきらわれ生物
・危険生物
「博物館」と聞くと、少し難しそうなイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし館内を歩いていると、「これは何?」「どうしてこんな形なの?」と、思わず足を止めて見たくなる楽しい展示がたくさんあります。
生き物が好きな子どもはもちろん、大人も一緒になって新しい発見を楽しめる場所です。
開館35周年!特別展「驚異の部屋」

今回の大きな見どころが、開館35周年記念特別展「驚異の部屋」です。
「驚異の部屋」と聞いても、どんな場所なのか想像しにくいですよね。
そのルーツは、15〜18世紀ごろのヨーロッパにあります。
当時、世界各地から集められた動物や植物、鉱物、文化資料などの珍しい品々を、貴族や知識人が一つの部屋に集めて展示していました。

さまざまなものが並ぶ空間は、まるで世界を一つの部屋に詰め込んだよう。現在の博物館につながる原型の一つともいわれています。
面河山岳博物館の「驚異の部屋」でも、35年間で集めてきた資料や、これまでの特別展で使われた展示物、過去のポスターや解説パネルなどを一堂に紹介しています。
じっくり見ていると、次々に気になるものが見つかります。

過去に訪れたことがある方には懐かしく、初めての方には面河山岳博物館の35年間の歩みを一度に振り返れる展示になっています。
「これ何!?」さまざまな展示から生き物の不思議を発見

「驚異の部屋」には、昆虫や動物の標本をはじめ、これまでの特別展で紹介されてきたさまざまな展示物が並んでいます。
館内を見て回ると、普段何気なく目にしている生き物にも、意外な特徴や知られざる生態があることに気づきます。

過去の特別展で使われた展示物や解説パネルも紹介されているため、「こんな生き物がいるんだ」「こんな特徴があるんだ」と、じっくりと学びを深めることができます。

また、標本だけでなく、生態を解説した動画を一緒に見られるのも「驚異の部屋」の面白いところです。
ただ展示を見るだけでなく、「これは何だろう?」「どうしてこんな形なんだろう?」と親子で話しながら見て回るのもおすすめです♪
生きた姿と標本、どちらからも自然を学べる

面河山岳博物館では、標本だけではなく、カエルや昆虫などを生体展示することもあります。
実は、博物館では貴重な資料を守るため、生き物を展示しない施設も少なくありません。
生き物を館内に入れることで、カビや害虫などが発生し、保存している資料に影響する可能性があるためです。

一方、面河山岳博物館では、来館者に自然や生き物を身近に感じてもらうため、ロビーに限定して生体展示も取り入れています。
標本だけでなく、実際に動く生き物の姿を見られることも、面河山岳博物館ならではの特徴です。

生き物はいずれ寿命を迎えますが、標本として保存すれば、「いつ」「どこで」「どんな生き物がいたのか」という情報を残せます。
100年、200年後、その生き物が地域から姿を消していたとしても、標本があれば、「その場所にこの種類がいた」という確かな証拠になります。

博物館は珍しいものを見るだけではなく、地域の自然を記録し、実物を未来へ残していく場所でもあるのです。
楽しみながら地域の自然や社会問題を知るきっかけに

面河山岳博物館では、生き物の面白さだけでなく、地域や自然が抱える課題も展示テーマとして取り上げています。
これまでには、以下のようなテーマで開催された特別展もあります。
・絶滅危惧種
・外来種
・ニホンジカによる被害
外来種は「人や物の移動に伴って運ばれてきた、本来その地域にはいなかった生き物」で愛媛でも多くの種類が問題になっています。

展示をきっかけに、「どうしてこの生き物がここにいるの?」と親子で考えることで、身近な自然や環境にも目を向けられます。
また、地域の方から「こんな虫を見つけた」「この生き物は何ですか?」といった問い合わせが寄せられ、それが新しい発見や地域の生き物の記録につながることもあるそうです。
楽しみながら地域の自然を知り、その変化にも目を向けられるのが、面河山岳博物館ならではの面白さです。
大人もじっくり楽しめる面河山岳博物館

「博物館は子どもを連れて行く場所」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、面河山岳博物館は大人だけで訪れても楽しめます。
一つの展示をじっくり眺めたり、生き物の特徴や自然の仕組みに触れたり。
大人になった今だからこそ、「そうだったのか!」と感じられる発見もあります。

展示を見て気になることがあれば、学芸員の方に声をかけてみるのもおすすめです。
タイミングによっては、展示を見るだけでは分からない話を聞けるかもしれません。
子どもと一緒に楽しむのはもちろん、自分のペースでじっくり館内を巡ってみるのもおすすめです。
見るだけじゃない!体験やグッズも楽しめる

面河山岳博物館では、見るだけでなく、実際に体験できるユニークな展示も楽しめます。
なかでも特にインパクトがあるのが、「ゴキブリのコスプレ」です。
過去には、ゴキブリやコクゾウムシ、タバコシバンムシなど、家の中にあらわれる害虫をテーマにした展示も開催してきました。

その関連展示として用意されているのが、人間サイズのゴキブリホイホイのような仕掛けです。
実際にゴキブリのコスプレを着て中に入ることで、普段は見るだけでも避けたくなるゴキブリ側の気持ちを体験できます。
私も取材中に挑戦してみましたが、思っていた以上にインパクトがあり、なかなかできない体験になりました。

さらに、館内の入口付近には、オリジナルの缶バッジやピンバッジ、自然に関する書籍や冊子なども並んでいます。
そのなかには、愛媛県の絶滅危惧種「トノサマガエル」を紹介する冊子や、かわいらしいトノサマガエルのピンバッジも。
冊子では、久万高原町で行われている早期栽培の米作りや水田管理によって、トノサマガエルの生息環境が守られている様子を、写真やイラストを交えて知ることができます。

館内を見て回ったあとは、グッズや冊子もチェックしながら、久万高原町の自然をさらに身近に感じてみてください。

今回、面河山岳博物館を訪れて、自然や生き物の面白さに触れながら、さまざまな発見を楽しめる場所だと感じました。
生き物や標本に触れながら、地域の自然についても知ることができ、館内には新しい発見がいっぱいです。
さらに、ゴキブリになりきれるユニークな体験展示もあり、楽しみながら自然や生き物への興味を広げられます。

楽しみながら学べる一方で、面河山岳博物館には、地域の自然を記録し、標本を未来へ残していくという大切な役割もあります。

面河山岳博物館へ向かう道中では、久万高原町ならではの山や川の景色も楽しめますよ。
道の駅「天空の郷さんさん」に立ち寄ったり、博物館周辺の面河渓を散策したりと、一日のおでかけとして楽しむのもおすすめです。
「これは何だろう?」
「もっと知りたい!」
そんな子どもの好奇心はもちろん、大人の知的好奇心も刺激してくれる「面河山岳博物館」。
次のお休みには、親子で面河山岳博物館を訪れて、新しい発見を楽しんでみてはいかがでしょうか♪
面河山岳博物館のアクセス・基本情報
施設名/面河山岳博物館
住所/愛媛県上浮穴郡久万高原町若山650番地1
電話番号/0892-58-2130
開館時間/9時30分~17時00分(入館は16時30分まで)
休館日/毎週月曜日、祝日の翌日(月曜日が祝日の場合は開館し、火曜日が休館)
12月~3月の土曜日・日曜日・祝日(冬期営業のため)
観覧料/一般300円、小中学生150円
※20名以上の団体は50円割引
※65歳以上の高齢者は半額(年齢を証明できるものをご提示ください)
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の所持者及びその介護者1名は半額
※特別展期間は特別料金の場合あり
【開館35周年記念・第59回特別展「驚異の部屋」】
開催期間/2026年7月18日(土)~11月23日(月・祝)
観覧料/一般500円、小中学生250円