あなたはまだ本当の龍馬を知らない!?偉大な幕末の志士のお茶目な素顔に迫る
広い太平洋の大海原を臨む四国は高知県。
この高知から輩出した有名人と言えば、皆さんは一体どんな人を思い浮かべるでしょうか。
人気の女優さんやスポーツ選手、はたまた歴史に名を残す偉人。
多くの有名人が思い浮かぶ中で特に人気の高知出身の人物といえば、やはり坂本龍馬!という方も多い事でしょう。
激動の幕末の時代に生き、変わりゆく日本の歴史を先導する立役者の一人となった坂本龍馬。
型破りで破天荒な性格ながらも非常に先見の明のあった人物で、「日本を今一度せんたくいたし申候」という言葉通り、時代を切り開いた偉人として彼を認識する人もきっとたくさんいるはずです。
鎖国で狭い世界へと日本全体が閉じこもっていた時代、早々に海外の国へと目を向ける発想とスケールの大きさを持ち合わせていた龍馬。
その活躍の中、凶刃に倒れ、待ち望んだ新しい日本の夜明けを見ることなくこの世を去ったという点も、彼の人気を後押しするドラマ性のひとつでもあることでしょう。
このように個性的かつ大胆な唯一無二の功績で、大河ドラマや様々な小説・マンガの登場人物としても、坂本龍馬は長年熱い支持を受け続けています。
尊敬する偉人ランキングでも常に上位に入っていたり、名だたる著名な人々が尊敬する・憧れる偉人として名前を聞くことも、もしかしたら多いのではないでしょうか。
そんな熱烈な人気から、やはり坂本龍馬は歴史上の偉大な人物で、あるいは幕末を駆け抜けたある種のヒーローでもある、と。
非常に大きな超人的存在のように語られているシーンも、多々見受けられる場面ではあります。
しかし実はそんな坂本龍馬にも、非常にチャーミングで人間らしい一面があるのを、皆さんはご存知でしたでしょうか?
彼が様々な人物の架け橋となり、日本の歴史を変えた人間の一人であることに間違いはありません。
ですが、一方でマメすぎるほどに手紙を書く事が大好きな人だったり、今を生きる私達とさほど変わらない非常に人間臭い一面も、この坂本龍馬という人物には実にたくさん存在しているのです。
ドラマや小説で見るような坂本龍馬とは違う、言うなれば「知られざる本当の坂本龍馬」。
そんな彼の姿を、激動の時代を生き抜いた当時の人々の足跡と共に知る事ができる。
そんな興味深いスポットが、この高知県にある「高知県立坂本龍馬記念館」です!
龍馬の功績を伝える…「高知県立坂本龍馬記念館」は今年で開館30周年!
この「高知県立坂本龍馬記念館」は1991年11月15日に開館した博物館で、土佐に生まれた幕末の志士・坂本龍馬の功績を顕彰するべく設立された施設です。
目の前に広大な大海原の広がる高知の名所・桂浜にあるこの博物館。
長年地元高知の人々や、全国各地の坂本龍馬を愛する人々が集まる場所として愛され続けてきた場所でもありますね。
今年で開館30周年を迎える本施設ですが、実は3年程前に大幅リニューアルが施されています。
メイン展示館であった本館の改装と、新しく新館を設立。
それまでの龍馬の功績を辿る展示のみならず、より多くの人に博物館をカジュアルに楽しんでもらえる展示も加わり、さらに魅力的な博物館ともなりました。
博物館と聞くと、何やら小難しそうな展示や解説がたくさんの退屈な場所、というイメージがある人もいるはず。
ですが、この坂本龍馬記念館は、数年前のリニューアルによって非常に洗練された、かつスタイリッシュな博物館へと大変身。
当時の龍馬の足跡を示す資料の展示だけでなく、彼らが生きた時代の背景を様々な体験型展示でも知る事ができ、今や大人も子どもも幅広く楽しめる博物館へと生まれ変わっているんです。
そんな坂本龍馬記念館は、ずばり先述したように「大勢が知る坂本龍馬、その知られざる一面も垣間見る事の出来る」博物館。
一体どのような展示内容で、彼の本当の姿を知ることができるのか。
その秘密も、せっかくなので少しだけ覗いてみましょう。
坂本龍馬は大の「手紙好き」だった!?リアルな筆跡から見る彼の素顔とは
まず最初のポイントは、新館の展示内容について。
こちらの新館にはいわゆる博物館らしい坂本龍馬に関する展示の数々があるのですが、その中でも特に目を引くのが彼にまつわる手紙の量!
実は坂本龍馬は何かの折につけて非常に小まめに様々な人物へ手紙を出していた、かなり「筆まめ」な人物であったということがわかっています。
もちろん当時はまだ今のような技術や、郵便制度なども全く発達していなかった時代。
その中でもかなり頻繁に多くの人と手紙をやりとりしていた龍馬は、今でいうSNSでの連絡やメールが特にマメなタイプの人とも言えるのかもしれません。
また彼の書いた手紙は数もさることながら、一通一通の文量がこれまた非常にボリューミー!
最も長い手紙は、なんと巻いた紙を解くと5メートルもの長さになるというから驚きです。
さらにユニークなのは、送られた手紙は本文より追伸の方が長いこともしばしば。
肝心な内容は手紙の2割ほどしかなく、残りの8割は追伸で細々とした雑談や近況報告が綴られている、というものも少なくないとのこと。
龍馬が文章をしたためた手紙は、ほとんどが紙の上から下までみっちり文字で埋め尽くされた状態です。
よく見れば冒頭や途中の文章の隙間に、後から思い立って付け足したような文章が散見される手紙も多数。
内容はというと、ユーモアを交えながら心境を素直に吐露した、龍馬の人柄を知る事ができる家族宛てのものや、一方で木戸孝允や後藤象二郎などに当てた手紙では、倒幕を目指した政治的なものが多く、そこからは彼の大きな業績をうかがうこともできます。
そんな展示の数々を見ていると、当時机に向かって色々な事を考えつつ筆を走らせていたであろう彼の姿が、目に浮かんでくる人もきっと少なくないのではないでしょうか。
このような常設展以外にも、坂本龍馬に縁のあった幕末の偉人に関する期間限定の特別展や、企画展が開催されるのも新館のポイント。
さらに龍馬と同じ時代を生きたもう一人の土佐の偉人・ジョン万次郎に関する展示スペースなど、龍馬本人を取り巻く当時の政治的背景や、時代環境がわかる展示も設置されています。
博物館らしい内容でありながらも、手紙を始めとした彼の存在をとても身近に感じるアイテムの数々。
これらをじっくりと眺める中で、展示から見えてくる坂本龍馬という人物。
それは私達が持つイメージとは少しだけ違った、それでいて非常に愛すべき存在であるということが、実感できるのではないかと思います。
イラストや映像、そして彼の臨んだ大海原を眺めて…龍馬の生きた足跡を追う
新館の展示を楽しんだ後は、2Fの渡り廊下を通って本館の展示エリアへ!
こちらも新館と同じく龍馬の足跡を辿る展示が並んでいるのですが、本館の展示は訪れた人々が体験を通して龍馬の歩みを知ることのできる、ユニークな工夫の凝らされたものがたくさん!
龍馬が生きた時代の人々の暮らしが一目でわかるようなイラストや、土佐藩を脱藩し浪人となった龍馬が、生涯の師とした勝海舟と出会い人脈を広げていく様子など。
五感をフルに活用してそれらを楽しく、そして詳しく知る事のできる展示が多数揃っており、幅広い世代の人が楽しめる空間ともなっているんです。
中でもぜひチェックしたいのは、龍馬の功績や幕末の激動の詳しい解説映像が見られる芝居小屋を模した展示や、龍馬が殺害された近江屋の八畳間を再現した展示など。
立体的かつわかりやすく彼の功績を知る事ができ、坂本龍馬という人物がどんな人であったのか。
私たちがすでに知る彼の素晴らしさを改めて実感したり、まだ知らなかった魅力に気付いたり。
それらを体感できるのが、この本館展示の醍醐味でもありますね。
さらにこの本館施設の大きなポイントは、その立地環境!
リニューアルされた本館の建物は非常に独創的な建造物となっており、一面ガラス張りの展示スペースから太平洋の大海原を一望できる、絶景を楽しめる造りともなっています。
展示を見終えた後はぜひ心地よい海風を感じられる屋上へ上がって、開放感のある景色を堪能してみては。
どこまでも広がる海と空を眺めながら、もしかしたら当時の龍馬も水平線の向こうの世界へと、まだ見ぬ出会いに思いを馳せていたのかもしれません。
ドラマやマンガだけじゃわからない…坂本龍馬の真の魅力を発見しに行こう!
博物館らしいオーソドックスな展示から、大人も子どもも楽しめるクリエイティブな展示という幅広い内容で、その知られざる一面を垣間見ることのできる坂本龍馬記念館。
坂本龍馬のディープなファンも、大河ドラマやマンガだけ知ってる!
あるいは名前や存在だけはなんとなく知ってる…というライトなファンも。
どんな人でも楽しめる、そんな多彩な展示内容が非常に魅力的な博物館です。
日帰り高知旅を楽しむついでに、ふらっと足を運んでみたり。泊りがけで高知をたっぷり満喫する旅の途中に、じっくり立ち寄ってみるのもOK!
あなたのまだ知らない坂本龍馬という人物の魅力に、必ず出会う事ができるはず。
今度の休日のおでかけ先の候補として、家族と、友達と、恋人と、もちろん一人でも。
高知県立坂本龍馬記念館へ、ぜひ一度遊びにきてみてくださいね。
■ 高知県立坂本龍馬記念館
住所:高知県高知市浦戸城山830番地
TEL:088-841-0001
営業時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
定休日:なし
料金:企画展開催中大人700円(展示替期間500円)、高校生以下無料
(20名以上の団体:企画展開催中560円、展示替期間400円)
問合せ先:高知県立坂本龍馬記念館総務・企画課
基本情報
ジャンル
科学館・博物館