愛媛県では、アフターコロナを見据え、産業の稼ぐ力の更なる強化のため、デジタル技術やロボットを実装し、地域課題の解決にチャレンジする「デジタル実装加速化プロジェクト」を展開中。
採択事業者のプロジェクトの様子をお届けしています。
「株式会社Root」が11月にローンチした、いつでもどこからでも愛媛の海、陸、みかんの生産現場を体験できるアプリ「えひめ丸ごとファーム」。
12月1日・2日に、テストイベント第1弾として、愛媛のブランド魚「みかん鯛」の、水中ドローン・水揚げ・解体体験が「中田水産」の養殖生簀にて実施された。
柑橘の香りがする「みかん鯛」とは?
「みかん鯛」とは、伊予柑の果皮を混ぜた飼料を食べさせた鯛のこと。
身からほのかに柑橘の香りがして、魚独特の生臭さを感じないのが特長。今回のイベントを進行する「株式会社宇和島プロジェクト」と、「中田水産」が共同で生産している。
「愛」あるブランド産品に登録されており、2015年には「フードアクションニッポンアワード2015」商品部門 農林水産業分野で最優秀賞を受賞した。
水中ドローンを使って生簀を観察
12月1日の14時から配信がスタート。今回の参加者は9名。
「えひめ丸ごとファーム」の専用ページから、パスワードを入力して視聴する。
進行役は、「株式会社宇和島プロジェクト」の西島さん。
「みかん鯛」の養殖について、クイズを出しながら参加者とテンポよくコミュニケーションをとっていく。
今回使用したのはこちらの水中ドローン。
水中ドローンで撮影した映像は、リアルタイムで配信されており、生簀の中で「みかん鯛」が元気に泳ぐ様子を見ることができた。
「みかん鯛」は、約40gの稚魚から、出荷に適した約2kgの大きさになるまで2年半かけて育てられる。
実は、伊予柑を混ぜた餌を食べさせるのは出荷の約3カ月前。
少しずつ柑橘の香りをつけていくと知り、参加者からは驚きの声があがった。
イベントは現地からも参加することができ、現地の参加者は実際に水中ドローンの操作を体験!
ドローンの目の前を泳ぐ「みかん鯛」を見て、「まるで生簀の中で鯛と泳いでるような気分です」と、感動。
大迫力の水揚げ現場を見学
翌日12月2日は、6時30分から配信がスタート。
早朝ながら、「みかん鯛」を水揚げする様子を生で見たいと、ほとんどの参加者がリアルタイムで視聴した。
生産者のみなさんが、生簀から「みかん鯛」を水揚げし、生け締めにして神経抜きをする作業は迫力満点!
水揚げされた魚はすぐに氷水につけて保存される。
魚の捌き方を学べる解体実演
14時から配信再開。体験イベントの最後は解体実演。その場で水揚げした「みかん鯛」を解体していく。
「株式会社宇和島プロジェクト」のアルディンさんが、三枚おろしにしていく様子を見ながら、その隣で「中田水産」の中田社長が、魚の捌き方や、「みかん鯛」の豆知識、美味しい食べ方などを解説。
「みかん鯛」は、その日のうちに加工され新鮮な状態で参加者のもとへと発送された。
背骨をとり食べやすくカットした状態で届くため、魚を捌く手間がないのが嬉しい。手元に「みかん鯛」が届いた参加者たちは、刺身や、宇和島の郷土料理・鯛めしにして各々美味しく味わった。
第1回テストイベントを終えて
中田水産・代表 中田 力夫さん
今回のテストイベントを実施してみて、「中田水産」の中田社長は「市場に出荷された魚は、その時々で値段が変わるので相場が安定しません。
それが、“体験料”として決まった値段で買ってもらえるのは、ありがたいですし、我々生産者の支えになると思います」と話す。
株式会社宇和島プロジェクト・西島さん
見事な進行で、参加者を盛り上げた西島さんは実際にアプリを使ってみて、「直感的に操作ができて凄いと思いましたし、参加者のみなさんとたくさんコミュニケーションがとれて楽しかったです」と振り返る。
「私たちは、生産者のみなさんが愛情を込めて育てた魚に、どれだけ価値をつけられるかを考えています。このサービスを通して、現場のリアルを知っていただけるきっかけになると感じました。買った魚をただ食べるだけではなく、実際に現場を見ることで美味しさも倍になると思います!」と話してくれた。
今後「えひめ丸ごとファーム」では様々な体験サービスを展開
写真左が株式会社Rootの岸社長
アプリ開発者である「株式会社Root」の岸社長は、「オンラインで参加した人でも遠隔で水中ドローンを操作できるなど、よりリアルに近い体験を提供していきたいです」と、今回のイベントを通してさらなる展開を閃いたようだ。
今後「えひめ丸ごとファーム」では、水産以外にも柑橘や農作物の収穫体験など、随時体験イベントが公開される予定なのでお楽しみに。
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