土砂崩れを再現!東京で大規模な実物大実験を実施【愛媛大学・京都大学|実装報告】

2024.4.15 えひめのあぷり編集部

愛媛県では、下記3つの観点から、デジタル・ソリューションと関連技術(AI,IoT,ロボティクスetc...)を愛媛県内事業者・自治体等に実装し、地域課題の解決にチャレンジする「デジタル実装加速化プロジェクト」を2022年度スタートしました。

継続事業者のプロジェクトの実装結果を紹介をします。

愛媛大学と京都大学が共同で進める、「LPWAを用いた斜面災害監視システム」実装プロジェクト。今年度のメインの取り組みである実物大斜面掘削実験が2024年1月23日(火)に東京都にて実施された。

実験を行ったのは、独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所(以下:安衛研) 本部(所在地:東京都清瀬市梅園1-4-6)。この日現場には、PJリーダーを務める愛媛大学大学院理工学研究科 木下尚樹准教授と京都大学大学院工学研究科 安原英明教授の姿があった。

また、今回の実験は愛媛大学と京都大学の他に、センサーメーカー各社も集まり、それぞれのセンサーを設置してデータ収集、分析して今後の製品開発・改良に役立てる。現場監督を務めるのは、安衛研の建設安全研究グループ 主任研究員である平岡 伸隆博士。

巨大な盛土を使った実物大実験の流れ

今回の実験は、まず研究所の敷地内に高さ約4m、横幅約30m、奥行き約16m(底の部分)の盛土を作り、山場の斜面に見立てショベルで掘削する。

掘削するエリアは山砂で固めており、その他の土台は関東ローム。掘削と掘削の間は30分以上間隔をあけ、5段階に分けて行う予定だ。盛土の上部には、今回集まった14社のメーカーが持ち寄ったセンサーを設置。

徐々に掘削していく中で、どれだけ地滑りが起きているのかを計測するというものだ。

愛媛大学と京都大学のプロジェクトでは、9社のセンサーを計21個設置。様々な場所のデータを取得するために、同じメーカーのセンサーを様々な場所に設置した。

いよいよ実験スタート!

センサーの設置は、1月15・16日に完了しており、1月23日の実験当日は朝9時30分から第一掘削が始まった。

まずは、盛土の斜面下の部分を斜めに浅く、撫でるように掘削した。この時点で、斜面のズレはなく視覚的な変化は現れなかった。

10時40分 第二掘削:第一掘削よりも上の層を浅く掘削

続いて、第一掘削で削った位置の一段上の層を斜めに掘削。センサーのすぐ下の土が滑り落ちるシーンもあった。しかしセンサーが刺さった部分の土はまだ安定している状態。

11時20分 第三掘削:90度に掘削

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第三掘削では、第一・二掘削よりもより角度をつけて掘削した。下の部分に角度がつくことで、上の土の支えが弱くなり地滑りしやすくなる可能性がある。

第三掘削では、右側のセンサーが刺さっている部分で地滑りが起きた。この時点で、土の表面に多数のひび割れが生まれている。

12時30分 第四掘削:90度に掘削

第四掘削も90度の角度で掘り進める。土のひび割れの状態を見ても、いつ崩れてもおかしくないように見えたため、当初予定していた掘削ラインよりも下の部分を掘削することに。

掘削途中で、中央の部分から全体にかけて大きく崩れた。数社のセンサーが落ちてしまったが、まだ上部のセンサーが残っているため、予定していた第五掘削まで進めることに。

15時00分 第五掘削:90度に掘削→崩壊

崩壊が予想されていた第五掘削。90度の角度で掘り進める。各社のデータに変化が生まれているはずである。

そして、ついに崩壊。斜面に刺したセンサーのほとんどが土砂と一緒に崩れ落ちてしまった。ここで実験終了となる。計画通りの時間に、崩壊が起き各社有益なデータを取得することができたようだ。

実験を終えて

独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所
建設安全研究グループ 主任研究員 平岡 伸隆博士
本日は偶然にも降雨の後の実験ということもあり、実際の土砂災害の状態に近い、非常に貴重な実験、そして貴重なデータを取得できたと思っております。今後このデータを分析し、どのような基準で判断すると土砂災害の被害を未然に防ぐことができるのかを検討していきたいと思います。

愛媛大学大学院理工学研究科 木下尚樹准教授(写真左)
本日の実験は概ね計画通りに進められたと思っています。これから取得したデータを検証して、今後の崩壊予測に繋げていけたらと思います。

京都大学大学院工学研究科 安原英明教授(写真右)
もう少し崩壊までの計測結果が時間をかけて取れたら良かったなと思ったのですが、これから各社が取得したデータを解析して、どのようなデータが取れたのかを見ながら今後に繋げていけたらと思います。本日実験は終えましたが、今後も引き続き実験を行えたらと思っています。

今回の実物大実験で得られたデータの分析結果が、リアルに起こるかもしれない土砂災害による被害を防ぐ一助となるかもしれない。愛媛大学と京都大学は引き続き、センサーメーカー各社、そして専門機関と協力しながらプロジェクトを進めていく。

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