「えぷり」とは?

【しまなみ蕎麦 一仙】心と身体を整えに、また帰ってきたくなる場所(愛媛県/今治市)

2026.3.30 なづな

一杯の蕎麦からはじまる物語

こんにちは、えひめのあぷりライターのなづなです♪
今回のランチ旅でご紹介するのは、今治市波方町にある「しまなみ蕎麦 一仙」。

2024年10月にオープンし、今治市内ではめずらしい“十割そば”が味わえるお店として、訪れる人を魅了しています。

でも、このお店の魅力は、ただ“おいしい”だけではありません。
一杯の蕎麦に込められているのは、店主のこれまでの歩みと、大きな転機の物語。

今回は、その想いに触れたくて、お話を伺いました。
一杯の蕎麦に込められたストーリーを、ゆっくりと紐解いていきます。

止まった時間が教えてくれた、本当に進みたい道

やわらかな笑顔で迎えてくれたのは、店主の仙波良洋さん。

もともとは会社員として働きながら、人を支える仕事にやりがいを感じていたそうです。
その中で、少しずつ芽生えていった「いつかは自分で何かをやりたい」という想い。

そんな矢先、思いがけない病が仙波さんを見舞います。

これまでのように体が動かず、先のことも見えない日々。
当たり前だった日常が、少しずつ遠くなっていくような時間だったといいます。

それでも心の奥にあったのは、ひとつの願い。
「もう一度、子どもたちとキャッチボールがしたい」
その想いを支えに、小さな目標を一つひとつ重ねながら、懸命にリハビリに向き合い続けました。

立ち止まった時間の中で見えてきたのは、“本当にやりたいこと”。
その答えが、「蕎麦」でした。

『どうせやるなら、本格的な手打ち蕎麦を届けたい』。

もともと好きだった蕎麦。
素材や打ち方で表情が変わる奥深さに、次第に惹かれていきます。

未経験からの挑戦。
修行の場として選んだのは、遠く群馬県。
さらに県内各地の蕎麦店や飲食店でも経験を重ね、技術と心を磨いていきます。

そして、2024年10月29日「しまなみ蕎麦一仙」オープン。
“人生は一度きり”。
その実感が、今の道へとつながっています。

素材と手仕事が生み出す、本格手打ち蕎麦

蕎麦は、産地や挽き方、打ち方によって、香りやのどごしが大きく変わるもの。
その一枚をつくるために、素材選びから打ち方まで、ひとつひとつ丁寧に向き合っています。

仙波さんが理想とする“十割そば”とは——

「二八のようなコシとのどごしを大切にしながら、香りと甘みをしっかりと感じられる十割そばにしたくて」

つなぎを使わない十割そばは、繊細で扱いが難しく、打つのにも時間と手間がかかります。
それでも、そば本来の香りや甘みを、まっすぐに感じてもらいたい。

使用するのは、群馬県・上州産のそば粉。
香り・甘み・のどごしのバランスに優れ、クセが少なく食べやすい「上州秋蕎麦」です。

一枚一枚ていねいに打たれた蕎麦は、口に運んだ瞬間、ふわっと香りが広がり、心地よいのどごしが印象的。

さらに、蕎麦の味わいを引き立てる“つゆ”にもこだわりが。
一見シンプルな“もりそば”の一皿に重ねられた、手間と想い。

その素直な美味しさに、自然と食べ進める手が止まらなくなります。

一杯の蕎麦とともに広がる、おもてなしと新たな挑戦

気がつけば、すっかり蕎麦の美味しさと、仙波さんがつくりだすおもてなしの心に惹き込まれていた私。

蕎麦が出来上がるまでのひとときに提供されるのは、あたたかいお出汁と、蕎麦のかりんとう。
待ち時間もゆっくりと過ごせるように――
そんな想いから生まれた、うれしいひと工夫です。

そして、食事の締めくくりに味わってほしいのが「そば湯」。
麺を切ったあとに出るそばの切れ端を、水とともにブレンダーでなめらかにし、茹で湯と合わせることで、とろっと濃厚な味わいに仕上げています。

その一杯を通して、蕎麦の持つ栄養や力にも、あらためて気づかされるひととき。
何気ない一品のひとつひとつに、訪れる人への気遣いが、そっと感じられます。

そんな仙波さんが、いま新たに挑戦しているのが――

「天ぷら。」

提供がスタートしたのは、2月16日。
年末年始に店舗を改装し、フライヤーを導入して始まった新たな一歩です。

仕事の合間を縫って名店を巡り、味を確かめながら、何度も試作を重ねた日々。
それでも挑戦した理由は、「地域と一緒に年を重ねる店でありたい」という想いから。

蕎麦とともに味わう天ぷらにも、その美味しさにしっかりと満たされました。

一打入魂に込められた想い

インタビューを通して、仙波さんの歩みが決して平坦なものではなかったことが伝わってきました。

『一度立ち止まった時間があったからこそ、たどり着いた今がある』
その言葉を穏やかな笑顔で語る姿が、心に残ります。

ただ空腹を満たすためではなく、心と身体をそっと整えてくれる「食」の力。
その本当の意味を、ご自身の経験を通して知っているからこそ。

仙波さんが大切にしている合言葉は「一打入魂」。

一杯一杯に想いを込め、訪れる人の時間そのものを大切にしたい——
そんな気持ちが、蕎麦にも、空間にも、やさしく息づいています。

公式サイトはこちら

しまなみ蕎麦 一仙の場所はこちら

しまなみ蕎麦 一仙の基本情報

店名

しまなみ蕎麦 一仙

住所

今治市波方町樋口甲1753-1

電話番号

0898-35-5586

営業時間

11:00〜14:30(売り切れ次第終了)

定休日

木 

駐車場

あり

なづな

この記事を書いたのは

なづな

“楽しい!”ことが大好き。人やまちのぬくもりをやさしく伝える取材ライターです♪
「読む人の心がふわっとあたたかくなる記事を届けます。ラヂオでも今治の魅力を発信中♪」

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グルメ・おでかけ

〇今治市出身・松山市在住
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