松山笠置記念心臓血管病院【医療の仕事・プロのリアル】漏斗胸のエキスパート

医療・介護・福祉の仕事は、私たちの生活に欠かせない尊いもの。多様な職場で働く「プロフェッショナル」への取材を通して、そこで働く人のストーリーと共に、やりがいや魅力など現場のリアルな声をお届けします。

笠置康病院長のプロフィール

笠置 康さん
平成3年病院長就任
病院長

松山市出身。同院は1889年に開業し、1989年に現在の運営体制へ。現院長は大学卒業後、県外及び海外にて研鑽を積んだ後着松。曽祖父、祖父、父に続く四代目として就任し、長年続く地域医療貢献の灯を受け継いでいる。

心臓血管外科治療・漏斗胸のエキスパートとして積み重ねた40年超のキャリア

開業から100年以上も地域住民の健康と生活を守り続ける、松山市末広町の「松山笠置記念心臓血管病院」。
同院の四代目院長を務める笠置康病院長は、漏斗胸治療における代表的な術式・Nuss法をより進化・発展させた医師として、全国でも名の知れた胸部心臓血管外科治療のエキスパートだ。

漏斗胸の治療・手術に当たることができる病院は、実は全国でもごくわずかだと院長は話す。

これまでに1000例以上ものNuss法を施行してきた

「病院経営の視点的にメリットが少ない点もひとつですが、やはり大きな要因は技術的な難易度の高さですね。漏斗胸の手術は、従来呼吸器外科の手法を用いるケースが大多数。近年医療現場においてはより専門特化型の傾向も高まっているため、専門外の手法を取り入れるハードルの高さがそのまま治療の難しさに繋がっているんです」。

同院のNuss法では筋層下に体内固定用プレートを植え込み、プレートでバーを固定することで体にかかる負担を軽減。従来の術式では難しいとされていた大人の手術に も対応

そんな高い壁も胸部心臓血管外科医として飛び越え、これまで1000例以上ものNuss法を施行し、経験を積み重ねる事40年以上。

現在も北は北海道から南は沖縄まで、全国各地から漏斗胸患者が院長の手腕を頼りに病院を訪れる。
時には他院で難しさを理由に治療を断られ、最後の頼みの綱として来院する人もいるそうだ。

早期の離床をめざし治療に努める同院では、歩行訓練のためのリハビリテーション環境も整備

本質的な医療貢献のための環境整備は欠かせません

早期発見・早期治療のために核医学検査室にて体に負担の少ない正確な検査を実施

松山笠置記念心臓血管病院では、一般内科から心臓血管外科、胸部外科、心臓内科、呼吸器内科などの多岐に渡る症状を診療。加えて1991年より救急病院としての患者受け入れ対応も始め、昼夜を問わず人々の健康を支えている。

地域医療を支える救急医療機関としてだけでなく、全国からも 広く患者を受け入れる

同時に「万全の体制で患者を支えるには、フォロースタッフが健全な環境で生き生きと働けることが大事」という強い信念を掲げる院長。
病院の内外を問わず、真の意味での“地域貢献”を目指し続ける。

どんなスタッフも働きやすい職場環境を

患者へのホスピタリティ向上に地続きである、と職員の労務環境整備に余念のない同院。

その最も象徴的な存在が保育士常駐の院内託児所だ。その他、イーラーニングによる技術・知識の習得システムや、プリセプター制度なども積極的に導入している。

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