
医療・介護・福祉の仕事は、私たちの生活に欠かせない尊いもの。
多様な職場で働く「プロフェッショナル」への取材を通して、そこで働く人のストーリーと共に、やりがいや魅力など現場のリアルな声をお届けします。
【先輩職員のプロフィール】CYATH(サイアス)|野本 千穂さん
CYATH(サイアス)サービス管理責任者 野本 千穂さん(令和5年入職)

利用者と目線を合わせ、自然な会話を重ねる野本さん。安心して過ごせる環境づくりを意識して日々の業務に取り組む。ゲームや作業をしながらのやり取りが、ここでの時間をより温かく、意味のあるものにしていく。
元歯科衛生士。往診業務を通じて障がい者施設や福祉分野に興味を抱き、2024年秋開設のB型就労支援事業所「サイアス」に参加。資格取得を経て、現在はサービス管理責任者として利用者支援に従事している。
利用者さんにとって、ここが大きな一歩。だから何度も話しかけて、つながりを育みたい。

広々とした空間。利用者一人ひとりの特性を鑑み、対面ではなく壁に向かって落ちついてゲームができる席を増やした
障がい者施設での口腔ケアを通じ、利用者とのコミュニケーションの大切さを実感した野本さん。その経験が、B型就労支援事業所「サイアス」への転職につながった。
現在はサービス管理責任者として、一人ひとりの声に耳を傾け、働く環境を整えている。
言葉から生まれるつながりを大切にする。話すことが支えになると信じて

日々の何気ないやりとりを通じて利用者の社会性やコミュニケーション能力の向上をサポート
サイアスは、単なる職業訓練の場ではない。ここに来ること自体が、社会とつながる第一歩となる利用者も多い。最初は週に一度通うだけでも精一杯だった人が、少しずつ笑顔を見せ、言葉を交わすようになっていく。その変化を支えるのが、野本さんの「とにかく話す」姿勢だ。
歯科衛生士時代、「痛くないですか?」「きれいになりましたね!」と意思疎通が難しい人にも必ず声をかけた。その積み重ねが、相手との距離を縮める鍵になると知っている。

スタッフと利用者で協力し、AIを用いてオリジナルキャラクターを作成
だからサイアスでも変わらない。
送り迎えの車の中でも、作業中でも、休憩時間でも、利用者との会話を大切にする。「無理に話さなくてもいい。ただ、言葉を交わせる安心感があれば」と野本さんは微笑む。支援の形も広がった。パソコンやゲームを使った訓練に加え、3Dプリンターやレジンを使ったものづくりにも取り組む。

スタッフの提案で猫型のレジンも作成中
イベントでは、利用者が作ったグッズを販売し、接客や金銭のやり取りを経験する場も生まれた。一方で、利用者の増加により、パソコンの台数やさらなるスペースの確保が課題ではあるものの、「来てくれたその一歩を大切にしたい」と野本さん。
社会と離れていた時間を取り戻す場所として、サイアスは進化し続ける。言葉には、力がある。だから野本さんは話し続ける。何度でも、何度でも。

「マルクスコラ」と共催したイベントでは、障がいのある子どもたちとサイアスの利用者が交流。eスポーツ大会を通じ、競技の楽しさや協力の大切さを実感できる場となった
先輩スタッフからのメッセージ

サイアスは、単なる職業訓練の場ではなく、ゲーム進行や配信管理など裏方業務にも挑戦できる場所です。
eスポーツを通じ、障がい者の働き方や社会貢献の可能性を広げることを今後も目指しています。
(サービス管理責任者・山下智也さん)
CYATH(サイアス)の利用者募集データ
募集概要
開所日 | 月~金曜(祝祭日、年末年始、大型連休等を除く)10:00~16:00 |
運営 | 医療法人愛弘会 しばた歯科 |
支援対象 | 障害福祉サービス受給者証をお持ちの方(障害種別を問わない) |
施設の特色 | 四国初となるeスポーツに関連した作業を行う事業所となります。 「好きだから挑戦したい」「好きだから仕事にしたい」をコンセプトに、好きなことを仕事にしていく手法を学び、訓練することができる事業所となります。 また、eスポーツ選手を目指す方には選手コースもあり、プレイの手法や操作分析などを学ぶ時間も設けています。 法人は歯科のため、利用者さんには歯科治療(保険適用)が無料となっております。 |
作業内容 | ・動画編集 ・配信 ・eスポーツイベント運営(MC・実況、受付、設営、片付け等) ・クラウドワークス ・オフィスソフトを使った資料作成 ・3Dプリンターで作成する物の設計図製作 ・3Dで製作した物の販売 ・アーケードコントローラー組み立て ・自作PC組み立て ・eスポーツ大会に向けてのトレーニング(選手コース) その他、利用者様の特性に合わせて、ゲームアプリを1日5分ほどプレイし、その画像をスクリーンショットで撮影するお仕事や、イベントで使用するゲームタイトルをプレイし、対戦時間を計測するお仕事などがあります。 全ての作業で利用者様が取り組みやすい作業からスタートするので初心者・未経験者でもご安心ください! |
利用料 | 障害者総合支援法による |
送迎 | あり(場所は応相談) |
official@cyath.or.jp | |
アクセス | 伊予鉄道 横河原線 いよ立花駅下車 徒歩15分伊予鉄バス 都心循環東南線 天山町東バス停下車 徒歩3分 |
選べるクラス内容
選手クラス | ゼロからでも挑戦しやすい独自のカリキュラムを通じて、選手としての個人のパフォーマンスアップやチームプレイにおけるコミュニケーション能力の向上を目指し、eスポーツの周辺知識や操作方法・戦略を学びながら、得意分野を伸ばし成長する過程を体感できる障がい者eスポーツ、パラeスポーツのコースです。また、このクラスでは自身の競技中の動画を記録し、専門の動画編集ソフト「DaVinci Resolve」を使用して編集する技術も習得可能です。プレイヤーとしての研鑽を通じて、コミュニケーション能力や問題解決力の向上なども体系的に学びます。 |
MC・実況解説クラス | 各種イベント・大会時の進行役を担当するクラスでは、発声練習や表現力アップなどの基礎を身につけながら、各種ゲーム内のシステムや状況を的確に言葉にできるようルールや戦略・戦術なども学習します。また、イベント原稿や行程表、作業指示書の作成等に必要なオフィスソフトの使用方法も習得できます。これは、eスポーツイベント・大会において必須となる進行役としてのスキルを学ぶコースであり、声の表現力を高めるトレーニングやさまざまな競技種目で必要な知識の習得を行い、自身の言葉として発信するまでに取り組みます。また、イベント現場で使用する原稿などの作成を通じて、文章作成の技能を身につけることも可能です。 |
ディレクタークラス | テーマやタイトルに応じて、eスポーツイベントを演出するための企画力や判断力を養いながら、設営・進行・撤収に関する機材の扱い方の学習や、映像・音響機器・配信ソフトの操作などを実践的な内容で学ぶことができます。このコースは、eスポーツの現場に焦点を当て、実際にイベントや大会を創りだすために必要な知識や技術を学ぶもので、機材の扱い方からスタートし、ステップアップで専門的な映像・音響機器の操作やイベントの企画立案、機材や電源の接続設計まで習得することができます。障がい者eスポーツイベントをはじめ、各種イベントの運営スタッフとして、実地体験も含めて専門的な経験値を得ることができます。 |
CYATH(サイアス)の問い合わせ方法
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