
制服の下には“ふつうの暮らし”がある! 自衛官夫婦の毎日をのぞいてみよう!
「自衛隊」と聞くと、どのようなイメージがありますか?
災害派遣で最前線に立つ姿――
たくましい隊員がきびしい訓練をしている姿――

このイメージも間違いではありませんが、それだけが自衛官の仕事ではないんです!
実は、自衛隊には裏方として部隊を支える仕事や、家庭と両立しながら勤務している人がいます。
食事や宿泊の準備をする人、通信環境を整える人…。
書類をまとめたり、関係ある部隊と調整したり縁の下の力持ちとして働く人もたくさん!
いろんな人の力が集まって、ようやく大きな活動が成り立っているんです。

今回取材したのは、松山市で暮らす山脇健輔さんと里佳さんご夫婦です。
ふたりとも同じ部隊に所属しながら、3歳と1歳の娘さんを育てる真っ最中!
自衛官であり、夫婦でもあり、そして親でもある。
そんな“ふつうの生活”を送るおふたりに話を聞いてみると、自衛隊がぐっと身近に感じられるエピソードが次々と飛び出しました。
お子さんたちを育てながらの毎日は、リアルで私たちの暮らしにも通じる部分がいっぱい。
記事を読めば、きっとあなたの中の自衛隊のイメージも変わるはずです。
自衛隊がぐっと身近に感じられるお話を、たっぷり紹介しますね〜!
最初は別々の道。それでもたどり着いたのは“自衛隊”
同じ駐屯地で仲間とともに、日々の任務に励む山脇夫妻。
年齢の垣根を越えて協力し合う場面も多く、「みんなで支え合う雰囲気が自衛隊の魅力です」と話します。
自衛官として働くおふたりですが、最初から「自衛隊一筋!」というわけではなかったそう。
それぞれ別の仕事や道を経験して、たどり着いたのが“自衛隊”だったのです。
里佳さんは大学を卒業して、最初は仏壇や仏具を扱う会社で事務職をしていました。
「就活のときに自衛隊の説明会も出たんですけど、そのときは民間企業を選びました」と当時を振り返ります。
働くうちに「転職したい」という思いが大きくなり、27歳のときに憧れを抱いていた自衛隊に再チャレンジ。
当時は、ちょうど入隊できる年齢制限ギリギリだったこともあり、思い切って自衛隊の世界に飛び込みました。
(※現在は33歳まで応募可能です。)
一方の健輔さんは、「人の役に立つ仕事がしたい」と消防士を目指していました。
しかし夢はかなわず、まずは市役所に就職。
配属された部署には、年齢が近い人がおらず、誰にも相談できないことで孤独を感じて早めに退職を選びます。
そこから再スタートの場所として選んだのが自衛隊でした。
実際に入ってみると、仲間同士で助け合えて、自分の能力を発揮しながら仕事ができたそう。
健輔さんにとっては、自衛隊が「一番幸せな職場環境」に感じたとのこと。
それぞれ別の道を歩んできたふたり。
けれど「自衛隊への憧れ」と「人の役に立ちたい」という想いが重なって、今は同じ仲間たちと共に現場を支える存在になっています。
自衛隊は戦うだけじゃない!「支える」と「つなぐ」 山脇夫婦のおしごと紹介

里佳さんのお仕事は、部隊が訓練に出るときの食事や宿泊を手配することで、いわば縁の下の力持ち!
書類をまとめたり、関係先とやり取りしたり、現場がスムーズに動けるように支えています。

健輔さんは、通信を担当。
作戦や訓練をする上で、無線がつながらなければ何も始まりません。
機材を点検したり、準備したり――安心を届ける役割なんです!
「自衛隊は“戦う人”ばかりだと思われがちですが、裏方の仕事もたくさんあるんです」と話す里佳さん。
健輔さんも「体力に自信がなくても、得意な分野で活躍できる場があります!」と話してくれました。
自衛隊は特別な人だけの職場ではなく、意外と身近な働き方ができる場所なんです!
家族の時間も大切に♪ 自衛官家族のほっこりエピソード
現在、山脇さん夫妻には3歳と1歳のお子さんがいます。
まさに子育ての真っ最中!
里佳さんは2人目のお子さんの育児休業から復帰したばかりです。

山脇さん夫婦は家も購入して、家族での時間がさらに充実。
夜は子どもたちと一緒に星を眺めるのが日課なんだそう。
「おやすみ〜」の前に夜空を見上げるなんて、とても素敵な習慣ですよね!

娘さんがお気に入りなのは迷彩柄のTシャツ!
パパとママの影響を受けているそうで、ほほえましいエピソードですね。
Tシャツには「レンジャー」の文字があります。
レンジャーとは、陸上自衛隊のなかでも、とくに厳しい訓練を乗り越えた人だけに与えられる特別な資格です。
ママもパパも助かる♪ 子育て支援が充実しているんです!
自衛隊には“子育てしながら働ける制度”がしっかり整っているんですよ。
たとえば妊娠中には「早出遅出勤務」という仕組みがあって、15分単位で勤務時間を調整できます。
育児休業の復帰後は、朝と夕方にそれぞれ30分ずつ勤務を短縮できる「育児時間」も利用できます!
送り迎えや夕飯の支度に合わせて働けるのは、大きな安心ですよね。
また、お子さんが急に熱を出しても“特別休暇”が取れます。
有給を使わずに休めるので、気兼ねなく看病できますよね!
女性職員に対する各種支援制度

男性自衛官も育児休業が取得できるので、夫婦が交代で休むことも可能です。
こうした制度は年々改善されていて、以前は小学校1年生までだった育児制度の対象が、今では3年生までに拡大。
子育て世代にとって、ますます心強い職場環境になっているんです。
とはいえ、ときに長期の訓練で家を空けることも。
夫婦のどちらかが、3週間近く不在になることもあるそうです。
そんなときは、残ったほうが育児を一手に引き受けることに…。
でも考えてみれば、会社員の長期出張や単身赴任と似たようなもの。
自衛隊に限った特別なことではなく、どの家庭でも“あるある”なんです。
「うちもそうだな」と共感できる人も多いのではないでしょうか。
男性職員に対する各種支援制度

夫婦が同じ部隊に所属しているからこそ、休日や勤務時間の調整で職場の理解が得られやすいというメリットもあるそうですよ。
特別じゃない!自衛官は家庭に寄り添う職業でした
自衛隊は、特別な人が入る場所だと思われがち。
たしかに、制服姿や訓練の様子を見ると「自分には無理かも」と感じてしまう人もいるかもしれません。
「特別な存在ではなくて、職業の選択肢のひとつとして知ってもらえるとうれしいです」と語るおふたり。
その姿から、自衛隊に対する新しいイメージが広がっていきました。
実際におふたりのお話を聞いてみると、制度や福利厚生は整っていて、子育てと両立しながら働ける仕組みがたくさんあります。
さらに、裏方で支える仕事もあれば、人との助け合いを実感できる環境も。
つまり、自衛隊は“一般的な暮らしを続けながら働ける職場”なんです!
家庭を持ちながら働いている人も多いそうですよ。

見事な功績が認められたときに授与される「賞詞」。
夫婦で分かち合う、努力と栄誉の瞬間です。
職業の選択肢として“自衛官”を身近に感じよう!
今回お話を伺った山脇さん夫妻は、仕事も家庭も“等身大”で歩んでいるご夫婦でした。
自衛隊というと「厳しい訓練」「特別な人」というイメージが先行しがち。
実際には制度を活用しながら子育てと両立したり、仲間と助け合ったり。
一般的な会社員と変わらず、とても身近な働き方をしていました。
「自衛隊に入ってよかったです!」と笑顔で話すおふたりの姿は、同じように働きながら家庭を守る人たちにとって心強いメッセージになるはず。
自衛官という職業が、誰かにとって新しい一歩を踏み出す選択肢になるかもしれませんね!
自衛隊愛媛地方協力本部
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