舞台『路地裏のゲロ』愛媛公演記念|お宮の松さん特別インタビュー

2024.6.14 えひめのあぷり編集部

2024年3月に東京公演を終えた舞台『路地裏のゲロ』。
ビートたけしさん初となる舞台脚本作品である。
2024年6月、その全国行脚公演の第一弾が愛南町「御荘文化センター」で行われることが決定した。

【お宮の松】1994年にビートたけしに弟子入り。芸人、俳優、リングアナウンサーなど活躍の幅を広げている。私生活では5男1女の6児の父。愛南町出身の妻と共に家事や子育てにも奮闘している。

出演は、共にビートたけしさんの弟子である芸人・お宮の松さんとアル北郷さんの2人。たけし節が炸裂する浅草のおじさん2人の会話劇が繰り広げられる。
“ビートたけし” のお笑いや人生観が詰まった、笑って考える120分。
師匠である彼を “殿” と呼んで慕い、30年近くの付き合いになる弟子2人が演じるからこそ届けられる言葉がある。バラエティや北野作品が好きな人にはぜひおすすめしたい舞台だ。

今回、来県したお宮の松さんに編集部が特別インタビューを決行!
舞台誕生のきっかけや魅力、お宮の松さんがこの作品を通して感じたことなどをたっぷりお届けする。

『路地裏のゲロ』あらすじと公演情報|夜の街に吐き散らす、おじさん2人の会話劇

居酒屋を出た44歳のおじさん2人。
「おい。もうオレ金なんてないぞ」
「バカ!オレだってねーよ」
そう言いながら帰ろうとはせず、どちらからともなく会話が続いていく。

お互いの奥さんをなじり合ったり、生まれ変わったときの「もしも」を話したり。
好きなことを言って、言い返して、怒って、笑って―
どこにでもいる等身大のおじさん2人の「言葉」を楽しむ会話劇が開演!
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『路地裏のゲロ』
脚本:ビートたけし
演出:北郷 淳
出演:お宮の松・アル北郷

■公演日
6月29日(土)18:00~(開場17:00)
6月30日(日)15:00~(開場14:00)

■会場
御荘文化センター
(南宇和郡愛南町御荘平城3063-1)

■チケット販売
4,400円 (税込)
DUKESHOP松山店で店頭販売中

■問い合わせ先
CITY CONNECTION ENTERTAINMENT
080-5518-1333

『路地裏のゲロ』のはじまり|約15年間放置されていた台本

始まりは15年ほど前。
『路地裏のゲロ』は当初、お松の宮さんの後輩芸人のためにビートたけしさんが書き上げたネタだった。

「普通(ネタは)長くても10分くらいでしょ? 殿が1日で書き上げたことにもびっくりしましたけど、フルで一本やろうと思うと90分もかかるんですよ。」
とお宮の松さん。
懐かしそうに笑いながら話を続ける。
「しかも、とてもじゃないけど放送できない言葉やダジャレなんかもセリフに入ってるんです(笑)。殿が言うから笑えるような。後輩たちはなんとか披露したけど案の定な結果ですよね。」
若手芸人が披露するには荷が重かったとのことで、そのままお蔵入りになったのが『路地裏のゲロ』の台本だった。

『路地裏のゲロ』始動!|「殿」と「お宮」と「北郷」

「コロナ中には色々あって、なんかやらなきゃという気持ちが強かったんです。」とお宮の松さん。
そんな時にふと思い出したのが、あのネタ台本の存在だった。脚本家として活動するアル北郷さんにその話をすると、プレイヤーとしてもう一回やりたいとの返事。
「北郷が偶然殿と飲みに行くことになってて、殿にその話をしたんですよ。すると『いいよ、やんなよ』の二つ返事だったって。」と笑うお宮の松さん。

その時、ビートたけしさんはアル北郷さんにこう言ったという。
「お宮、まだ頑張ってんのか?(中略)あいつとやりなよ。どっちもたけしみたいな形でいいわけだろ?じゃ、どっちもオレが言うようなボケをやればいいじゃん。そういう台本だろ?」
その言葉から『路地裏のゲロ』の舞台化計画が始まったのだ。

『路地裏のゲロ』構想|あの台本をどうしよう

こうして始動した『路地裏のゲロ』。
後輩芸人が持っていたあの台本を届けてもらったお宮の松さん。

「殿がチェックするかなと思ったら、しないわけですよ。どんな放送禁止を言ってるのか見るのが怖いっつうんですよ。殿、ちょっと待ってくださいよって話ですよね(笑)」

その時代の考えそのまま、その時代の背景でやるのが一番良いと思ったという。

「1990~2000年ぐらいのおっちゃんたちが思ってること。だから15年前くらいに、うちの師匠が思ったことをそのままやろうよって。古臭くてわかんないところは『何年もたってんだぞ』っていうセリフは足すとして。」

漫才とは違う“舞台”という形で、当時のビートたけしさんの言葉を伝えることになった。

『路地裏のゲロ』東京公演|無事に成功

台本も整い、あとは場所を探すだけ。
しばらくは決まらないだろうと思っていた矢先、東京三田 にある弘法寺・大本堂での公演が決まった。
「とにかく一言一句をたけしさんのノリで話すことを徹底したんです。あと一か月でやるってなって、とにかく会おうってなって2人で高架下でひらすら練習。(台本が)全然入らなくて、こりゃだめだって。本番1週間前で急に入ったんです。」

本番は成功。あの時の若手の分はクリアできたんじゃないかと思うと本人は笑っていた。
弘法寺の関係者からは、「たけしさんきっと古事記とかの本読んでたんじゃないかな。ふざけながら言い合ってても会話を聞いていると人の生死に結び付く話にも思える。」と言葉をかけてもらったそう。

下品なセリフもあれば言い合う場面もあり、台本も140ページの大ボリューム。
何より“ビートたけしの言葉”を舞台に乗せることは誰にでもできるわけではない。
舞台の計画が持ち上がった当時、無茶な挑戦と思う人もいただろう。

台本の中には「金がなくても飲んじゃえばこっちのもんだよ」というセリフがある。その言葉から「やっちゃっえばこっちのもんだ」と思えたというお宮の松さん。
結果舞台は成功。面白おかしく毒を吐き散らすおじさん2人の会話劇は、等身大の言葉として観客に届いたのだ。

「僕らの中では戯曲っていうのは文学だったり哲学だったりちょっとカッコよすぎるし。たけしさんが本当に思っていることを話す舞台としてやれたらいいかなと思ってたんです。」
そんな時に、縁があって愛南町での公演が決定した。

『路地裏のゲロ』全国行脚へ

「内容に放送できないようなことが多かろうが関係ないなって。本当は思っていても言わないことって、言わないことが正義なのか正直に言うことが正義なのかはあると思います。僕らは殿の“生”の言葉を全国で伝えられたら。一人でも多くたけしさんの言葉を聞きに来てくれる、それだけでいいと思う。」

2025年の公演があれば、ビートたけしさんの言葉を更新して新しい台本にするという。
つまり、元の台本の公演は2024年だけということだ。

愛南町で行われる全国行脚の第一弾。
ビートたけしさんで一度でも笑ったことがある人にはぜひ観に行ってみてほしい。

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■公演日
6月29日(土)18:00~(開場17:00)
6月30日(日)15:00~(開場14:00)

■会場
御荘文化センター
(南宇和郡愛南町御荘平城3063-1)

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