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【鬼北町にぎわい塾】地域を元気にしたい!起業にチャレンジしたい!新たな一歩を踏み出し挑戦する人のための交流イベント(愛媛/鬼北町)

2025.9.4 えひめのあぷり編集部

8月に開催された「子育てママと新たな挑戦」がテーマのトークセッションをレポート

全国で唯一“鬼”の字が使われる町として知られる鬼北町。

町の象徴となる鬼のモニュメントや緑豊かな自然、山々で育まれた豊富な農作物など。

素朴ながらもここにしかないたくさんの魅力にあふれた町として、愛媛県内からも大勢の人が足を運ぶ場所ともなっています。

ですが、鬼北町の魅力はそれだけではありません!

景色や場所、モノだけでなく、鬼北町には魅力的なヒトもたくさん!

そんな鬼北町の魅力的な人が集まる場ともなっているのが、毎年町内で開催されている「鬼北町にぎわい塾」です。

JR近永駅周辺での起業やイベント開催など、鬼北町内に「にぎわい」をもたらす活動・人材を発掘し支援していくこの取り組み。

例年さまざまな取り組みに挑戦する人や、自身で起業し新しいユニークな事業を生み出す人。

またそうやって地域を盛り上げたい!と頑張る方を応援する人など、多くのバイタリティ溢れる方が集まる機会となっています。

鬼北町内だけでなく愛媛県内、時には東京・大阪からの参加者もいるこちらのイベント。

今年は「子育てママと新たな挑戦」をテーマに、現在進行形で起業し活躍する3名の女性が登壇するトークセッションや、豊かな自然の中でリフレッシュできるトレッキング体験を開催!

8月初旬に行われたそのイベントの模様を、今回はレポートしたいと思います。

会場は、JR近永駅すぐ近くのコワーキング施設「Warmth(ワームス)」。

元は米蔵として使用されていた古民家を改修した施設で、地域の観光拠点やコワーキングスペース、ゲストハウスとしての役割も兼ねたスポットにもなっていますよ。

子育てママも好きをカタチに!ハンドメイド作家・木戸さんの起業ヒストリー

当日のトークセッションは18:30にスタート。

定員30名の会場には学生と思しき女性たちや、長年地元・鬼北町で暮らすご高齢の方まで、非常に多彩な参加者の姿が見受けられました。

今回、鬼北町で新しいことにチャレンジしている方々からのご挨拶を経て、最初に登壇したのは木戸はるかさんです!

鬼北町出身で現在宇和島市在住の木戸さんは、2024年に手形アートを取り入れたハンドメイド作家として起業。

この日は「“好き”をカタチにする子育てママの一歩」と題して、ご自身の育児体験や起業ヒストリーをお話してくれました。

双子の男の子を出産し、日々大変な育児に追われる毎日だった木戸さん。

母親としては当然の事かもしれませんが、“子どものための毎日”を送る中でだんだん自分が見えなくなり、「このままの人生でいいんだろうか…」と思うようになっていったそう。

そんな中ある日「手形アート」に出会い、目に見える形で子どもとの時間を残せることに小さな感動を覚えました。

元々ハンドメイド作家として活動していた時期もあった木戸さん。

自分が好きだった“創作”と今の“子育て”をこんな形で繋げられるんだ…!という発見が、大きな転機へと繋がったそうです。

その思いを原動力に、自身も手形アート作家として本格的な活動をスタート!

SNSで作った作品への反応がもらえた時や、作品を手に取ったママさんたちから「大切な思い出ができました」という言葉をもらった瞬間が何よりも嬉しい、と木戸さんは語ります。

今では年間120件以上の受注をもらったり、手形アートに気軽に挑戦できる体験イベントやマルシェでの販売などで、好評の声をたくさんいただいているとのこと。

今後は、子育てを頑張るママさんのための自宅サロン設立も目標にしているそうです。

起業は特別な人がする事ではなく、「やってみたいな」という小さな思いから始まるもの。

自分と同じように、ぜひいろんな方に一歩を踏み出してほしい、と笑顔で話を締め括っていました。

ママが育児の悩みを共有できる仲間・場所づくりに奔走!楠目あいさんの挑戦

続いてお話を聞かせてくれたのは楠目あいさん!

元々理学療法士として大病院の療育センターで勤務していましたが、出産・育休を経てなかなか希望の形での復職が叶わず退職、そのまま独立へ。

現在は子育て中のママと子どものための整体サロン「まこも」での活動を中心に、2024年春には法人化も実現させました。

そんな楠目さんの活動の原点となったのは、自身の出産経験だったそう。

自身の身体の変化や不調、県外出身で両親ともなかなか会えず頼れる先がないという不安、加えて同世代のママ友も少なく相談相手もいないという孤独…。

自分のように妊娠・出産を経て、辛い思いをするママを1人でも減らしたい。

そんな考えが、今の活動を始める一番のきっかけでもあったと語ります。

出産・育児の悩みを抱えるママさんが駆け込める場所を作りたい。

不安や悩みを共有し、「横の繋がりが欲しい」「大人と喋りたい」という気持ちを叶える場所にしたい。

そんな思いで発足したサロン「まこも」では現在、母子向けの整体や育児情報の交換ができる親子教室、みんなで身体を動かせる運動教室など、さまざまな活動を行っています。

また楠目さんは理学療法士のほか、体力指導士や産後指導士、バランスボールインストラクターやベビーマッサージ・ヨガの資格を取得し、現在の経験へと生かしています。

サロンでは多彩な資格取得の支援や、新しく何かへ挑戦するママさんの背中を押す取り組みも行っているとのこと。

先ほど登壇した木戸さんも、楠目さんに背中を押され自身の目標を実現した女性の一人です。

とはいえ、鬼北町をはじめとした南予の地域にはまだまだ課題もたくさん。

今後はお母さんへの産前産後ケアや生まれてきた赤ちゃんへのケア、さらには出産を経たママさんの就労・自立支援にもより力を入れていきたい、と楠目さんは語ります。

そのために自身も大事にしてきた「人と人との繋がり」を、今後もより一層広げていきたい、と笑顔で語ってくれました。

発達障害で子育てに苦労する親子を救いたい!小越ゆきえさんの取り組み

トークセッション最後の登壇者は小越ゆきえさん!

長年の看護師勤務を経て、現在は子育てサロン「ぶどうです。」を運営しています。

ぶどうのようなまるいこころでみんなが繋がれるように、と立ち上げられたこのサロン。

育休中のママと子どもが集まってお喋りや情報交換を楽しんだり、時には身体を動かす活動なども交えて、親子の孤立を防ぐことが大きな目的とされています。

楠目さんと同様、自身の子育ての経験がサロン設立に繋がったと話す小越さん。

ですが小越さんの場合、発達障害を持つ長男の子育てに苦労した経験が、現在の活動にも大きく影響していると語ってくれました。

数時間泣き叫び続ける息子と上手く意思疎通できず疲弊し、精神的にも追い詰められたというエピソードには、会場の参加者も真剣な面持ちで耳を傾けます。

「上手く子育てができない」と苦しむお母さんを救いたい。

けれどお母さんたちにとって、それを相談することは自分の劣等感を認めるようでとてもハードルが高いはず。

自身も近しい境遇を経験したからこそ、LINEでも出来る、無料でも出来る、と“誰かに相談するハードル”をトコトン下げるよう小越さんは働きかけています。

まだまだ息子と向き合う日々は続くけれど、諦めず対話の方法を探って大変なことも一緒に乗り越えたい、と笑う小越さん。

重ねてこれからも子育てを頑張るママさんへの支援を続けると同時に、今後は「ペアレントメンターCafe」などの活動を通じて、子どもの発達障害への理解を広める働きかけも積極的に行いたい、と話します。

発達障害を疑似体験できる講演会などを実施し、より多くの人に発達障害を正しく知ってもらうと同時に、障害を持つ当人もその周囲の人も支えられる環境を作りたい。

障害のある人もない人も、ぶどうのようにまるいこころで繋がる鬼北町を目指したい。

そう気概にあふれた表情を見せてくれました。

意見交換会やトレッキング体験では参加者同士の盛んな交流の機会も

トークショーではその後、今回の登壇者3人のパネルディスカッションや、イベント参加者全体でのディスカッション・交流会を実施。

登壇者の方へ一対一で直接今回のお話の感想や応援のメッセージを届ける時間も設けられ、あちこちで和気あいあいとした会話や素敵な笑顔が見受けられる時間となりました。

翌日のトレッキング体験の舞台となったのは、鬼北町内にある奈良山等妙寺旧境内です。

等妙寺は約700年前の鎌倉時代に開かれ、厳しい修行を積んだお坊さんに「戒師」の資格を与えることができる南国唯一のお寺でしたが、当時の建物は天火ですでに焼失。

お寺自体は現在も山の麓にありますが、その頃の本堂をはじめとした周囲のエリアは稀少な歴史文化を伝える史跡公園として残されています。

奈良山等妙寺歴史交流館・館長の富田さんに先導され、いざトレッキングスタート!

イベントには前日のトークショーから引き続き参加してくださった方や今回が初めましての方、スタッフを含め約20名が参加していました。

朝早くからの山登りでしたが、豊かな緑とキレイな空気、そして自然由来の音などを五感でしっかり感じながら、みんなでいい汗を流す時間に。

その後は奈良山等妙寺歴史交流館にて、書家・篠原一作さんによることばと書道のワークショップを体験。

一人ひとりが今の自分の正直な気持ちや、今後やりたい事・挑戦したい事を改めて見つめ直す貴重な時間を過ごし、2日間に渡る今回のにぎわい塾プログラムは無事終了となりました。

鬼北町を盛り上げるユニークな人と出会おう!10月に第3回も開催予定!

鬼北町を中心に県内で、新しいチャレンジに取り組んでいる人や起業に挑戦する人、地域を元気にしたい!と頑張っている人を紹介・応援する「鬼北町にぎわい塾」。

アクティブな人たちがこうして交わる機会があることで、この場から何か新しい化学反応や、他にはないユニークな企画が今後も誕生していくことでしょう。

鬼北町ほか南予を舞台に、事業運営や起業に挑戦している仲間を見つけたい。

あるいは、そういう人たちの取り組みに触れて応援したい。

チャレンジングな人々と出会う場や繋がりを作る場が欲しい、という人もいるかもしれません。

そんな方はぜひ鬼北町にぎわい塾に、積極的に参加してみませんか?

次回の開催は10/15(水)18:30~20:30。

会場は鬼北町にこの秋新たに誕生する多世代交流施設にて。

施設の紹介や鬼北の学生とパネラーを交え、これからの鬼北を語り合うトークセッションを開催予定です。

参加者もまだまだ募集中!

ですが施設のキャパシティの都合で、エントリー数が収容人数超えた場合は申し込みを締め切る可能性があります。

気になる方は鬼北町にぎわい塾の公式ホームページから、ぜひ早めのお申し込みを。

鬼北町の未来を創っていく、そんなあなたからの募集を心よりお待ちしています!

鬼北町にぎわい塾の情報

開催日/2025年10月15日(水)
開催時間/18:30~20:30
開催場所/新設多世代交流施設
住所/愛媛県北宇和郡鬼北町近永942付近
料金/参加無料
駐車場/あり
お問い合わせ/鬼北町企画振興課(0895-45-1111/担当:中川)

公式サイトはこちら

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